9月1日まで、東京・日本橋で開催中の「行方不明展」。ホラー作家の梨さんと、「株式会社闇」、そして「このテープもってないですか?」「祓除」「イシナガキクエを探しています 」など数々のヒット作を手がけたテレビプロデューサー・テレビ東京の大森時生さんがタッグを組み、チケットの販売数が6万枚を突破(8/17時点)するなど大きな注目を集めています。
具体的にどの様な展示なのかと開いた公式サイト(https://yukuefumei.com )での説明は、
う〜ん、分からない。分からないからこそ気になる!というわけで、実際に「行方不明展」を訪れ、その異質な空間を体験してきました。ネタバレなどはございませんので安心してご覧くださいませ。
「行方不明展」では、下記の分類で展示が行われています。
身元不明 「ひと」の行方不明
所在不明 「場所」の行方不明
出所不明 「もの」の行方不明
真偽不明 「記憶」の行方不明
入り口に入ると、すぐに目に飛び込んできたのは無数の「探しています」の貼り紙。新しいものから、ボロボロになったもの、真っ黒に塗りつぶされている様に見えるもの…。種類は様々。
展示それぞれに“物語”があり、背筋がゾッと。
一階会場の真ん中に置かれた電話ボックスには実際に入ることが出来るのですが、何だろう…この独特の息苦しさは。言葉では表現出来ないこの感覚、皆さんにも味わっていただきたいです。
ヘッドフォンをつけて音で感じたり、香りをかいだり(!)、展示の仕方もそれぞれ。
見落としてしまいそうな、床の端などにも展示物があったり、“仕掛け”があるので隅々までご覧ください。
また、会場となっているビルがレトロでかなり雰囲気を醸し出しているのもポイント。どこまでが展示でどこまでが会場そのままなのか分からない…そこも怖さを倍増させるのです。
Tシャツなどのグッズも展開。筆者はパンフレットを購入し、帰宅してからも「行方不明展」の世界観に浸りました。大人気の展示物ガチャも気になりすぎる…。
「行方不明展」を実際に体験させていただいて感じたのは、オカルトやホラー好きの方はもちろん、「きさらぎ駅」などのインターネットコミュニティ文化に親しんできた方にもオススメしたいということ。全てフィクションで作られている展示たちから何を感じるのか、たくさんの人が訪れる空間が日々どう変化していくのか…SNSでの感想の投稿も含め、来場者も作っていく展覧会として楽しめるのではないでしょうか。
「行方不明展」
https://yukuefumei.com
◆開催日:2024年7月19日(金)〜9月1日(日)
◆開催時間:11時〜20時 ※最終入場は閉館30分前
◆会場:東京都中央区日本橋室町1-5-3 三越前 福島ビル 1F
※東京メトロ「三越前駅」徒歩2分
さらに、特別配信映像「正体不明」が販売中。もう訪れた方もぜひチェックを。
今回「行方不明展」では、展示物を下記の分類をしておりました。
身元不明 「ひと」の行方不明
所在不明 「場所」の行方不明
出所不明 「もの」の行方不明
真偽不明 「記憶」の行方不明今回の特別配信映像「正体不明」は、それらとまた別のものです。
行方不明展、あるいはそれを鑑賞した方々に関する映像です。
ある詩人は、「行方不明」をテーマにして書いた詩のなかで、「ふっと自分の存在を掻き消す時間」が人間には必要だと綴りました。
透明な回転ドアを押すように、今いる世界の外にさまよい出てしまう、そんなささやかな「不在」への欲求。ドアの外にあるのがどのような景色なのかは誰も知り得ませんが、だからこそ、そこには正体不明の訴求力があります。
それを成すことは容易ではありませんが、その意志を否定することもまた困難です。
そして、彼らは行方不明展の末に、どのような景色を見たのでしょうか。行方不明展にお越しいただいた方も、お越しいただく予定がない方も、ぜひご覧ください。
【配信開始日時】
2024年8月9日(金)よる8時00分 ※アーカイブあり
【金額】
1000円(税込)
【配信】
https://w.pia.jp/t/yukuefumei/
https://l-tike.com/event/mevent/?mid=722903
自分では意識していなかったのに、ブラウン管の前でぬぼ〜っと立つ筆者。写真を見返していて「なんで?」と思いました。実際に行かないと分からない“何か”が確実に存在していました。
写真:オサダコウジ
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