中国で「男の子が生まれる水」が爆売れしている。中国メディアの新京報などが報じた。

記事によると、最近、米国系の会員制スーパー・サムズクラブの「弱アルカリ性天然ミネラルウオーター」が中国で大人気になっている。理由はSNSなどで「飲むと男の子が生まれる」とのうわさが広まっているからだという。

このミネラルウオーターはサムズクラブの月間売上ランキングで2位にランクインしている。価格は1本300ミリリットルのペットボトルが24本入り(1ケース)で22.8元(約465円)。販売数は20万ケース以上、販売額は456万元(約9200万円)を超えており、現在はオンラインショップで「1人1点まで」の購入制限が設けられている。

ただ、実店舗では購入制限はなく、最近オープンした四川省成都市の店舗ではオープン当日に多くの客が大量に購入していく様子が見られた。中国のSNS・微博(ウェイボー)でも関連ワードが検索上位に浮上しており、「女性が飲むと男児を出産できる」「男性が飲んだ方が効果が明らか」などの流言が飛び交っている。

一方で、「この世界はおかしい」「こんなの信じる人がいるのか?学校に行ってないのか?」「社会が18世紀に逆戻りしたようだ」「まだこんな男尊女卑が続いているとは」など、冷ややかなコメントも少なくないという。

事態を受け、サムズクラブは今月3日、「本製品は普通の食品であり、いかなる保健機能や疾病の予防・治療機能もありません。会員の皆さんはデマを信じず、理性的な消費行動を行ってください」とのコメントを出した。

また、北京中医薬大学東直門医院産科の孫燕(スン・イエン)副主任も「子どもの性別は精子と卵子の組み合わせによって決まる。アルカリ性の物を飲み食いすると男の子が生まれやすいという科学的な研究はない」と語っている。(翻訳・編集/北田)