2024年9月4日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、北京で中国・アフリカフォーラムが開幕したのに際し、中国企業がアフリカの環境を損なっているという西側の見方に対する専門家の意見を報じた。
記事は、第9回中国・アフリカフォーラムが3日に北京で開幕し、アフリカから50カ国以上の政府首脳や関係者が出席したと紹介。中国商務部のデータでは2013〜23年に中国企業が締結した対アフリカ投資総額は7000億ドル(約100兆円)に上るとし、中国の投資がアフリカのインフラを大幅に改善させ、現地市民により廉価な消費財を届ける貢献をした一方で、西側メディアからはしばしば「中国企業によるアフリカ開発は現地の環境に補填(ほてん)できない損失を与えた、両者の経済協力は大きな環境上の災難だ」と評価されることを伝えた。
その上で、フランス国際関係研究所(IRIS)の新興国問題専門家ジャン・ジョセフ・ボワイヨ氏が同フォーラムについて、新型コロナで縮小した中国とアフリカの関係発展を回復させる一大チャンスであるとともに、中国が技術面で米国からの依存脱却を試みる中、ハイテク開発を進める傍らで廉価で実用的な製品を引き続きアフリカ向けに開発、提供する必要があること、アフリカ諸国にさらに大きな負債を抱えさせないよう投資戦略を調整する必要があることなどから、今回の同フォーラムは非常に重要な場であるとの認識を示したことを紹介している。
ボワイヨ氏はまた、西側メディアの「中国によるアフリカ投資は環境面での災難」という見方に対して、西側企業も環境保護の手本であるわけではなく、化石エネルギー分野において西側企業がアフリカに大きく依存していることなどから「慎重に扱う必要がある」と指摘。中国一国になすりつけるべき問題ではなく、「アフリカと外国企業との協力における普遍的な問題」として捉えるべきだとの見方を示した。また、中国企業はリスク回避の観点から単独でアフリカの大型プロジェクトに投資するケースは少なく、中国企業の投資プロジェクトに西側企業が参加するケースが大部分だとした上で「それゆえにアフリカ投資問題は共同ガバナンスの問題であり、最も理想的な処理方法は多国間の枠組み協力を構築し、アフリカ諸国が利益を得にくい2国間協力を避けることだ」と論じた。
ボワイヨ氏はさらにこの20年近い中国とアフリカの経済協力について「非常に複雑な問題」と評し、確かに多くのアフリカ人が中国に対して不満を持っているものの、アフリカ全体で見ると「驚くことに、中国に対する印象はポジティブなのだ」と指摘。その背景には中国人がスマートフォンやパソコン、自動車をはじめとする多くの廉価で良質な製品を提供してくれるという認識があるとした。また、現地人の不満ばかりをクローズアップする西側メディアについて「全面的な視点が欠けている」と批判し、フォーラムに50カ国以上のアフリカ諸国が出席するということは、彼らが中国を有益な存在と認識していることの表れと見るべきだとの見解を示した。(編集・翻訳/川尻)
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