杉野遥亮が主演を務める月10ドラマ「マウンテンドクター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第8話「山岳医が遭難!?失態に巻き起こる炎上」が、9月2日に放送された。歩(杉野)の兄・翔(時任勇気)の友人である丸山聡一(森準人)が山で遭難。休日に医師としてではなくプライベートで山小屋に来ていた歩が江森(大森南朋)の制止を振り切って助けに行くが、現場はケータイが圏外で二次遭難という事態に陥ってしまった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】周子(檀れい)に呼び出された歩(杉野遥亮)

■山岳医療の現場を描く作品

本作は、信濃総合病院の山岳医療の現場に放り込まれた青年医師が、さまざまな思いを抱えた山岳医や患者と触れ合い、現実と向き合いながら成長していく姿を、長野・松本を舞台に描く山岳医療ドラマ。

杉野は整形外科医と山岳診療科を兼務する医師・宮本歩を演じ、歩と幼なじみの麻酔科医・村松典子を岡崎紗絵看護師・鮎川玲を宮澤エマ、歩と典子の幼なじみ焼き鳥店を営む小松真吾を向井康二、循環器内科医・掛川康二を近藤公園、オペ看護師・平早紀をトラウデン直美、救命救急医・小宮山太を八嶋智人、信濃総合病院の院長・松澤周子を檀れい、そして国際山岳医としての資格を取得し、海外での活動経験もある山岳医・江森岳人を大森南朋が演じる。

■歩が山で遭難した兄の友人を助けに行くが…

歩(杉野遥亮)の兄・翔(時任勇気)の友人である丸山聡一(森準人)が宮本家を訪れ、仏壇に手を合わせた。聡一は毎年命日近くに宮本家に来ていたが、歩は東京に行っていたので会うのは久しぶり。

SNSでMMTのことを知り、歩が働いている姿を見て、高校卒業した時以来、久しぶりに登山がしたくなり、鮎川山荘経由のルートで山に登ることを決めたと言う。

その日の山小屋診療の当番医は江森(大森南朋)だったが、歩は鮎川山荘の鮎川(石丸謙二郎)が背骨の圧迫骨折で入院中ということもあり、お手伝いで山荘に来ていた。

聡一は、山荘で江森の診療を受けて問題無しと診断され、山を登り始めた。その後、聡一から電話があり、霧が発生して引き返そうとしたが道に迷ったという。歩は総一を助けに行くが、これが大変な事態に発展してしまう。

■江森の制止を振り切り救助に向かうが、そこはケータイが圏外だった

聡一からの連絡を受け、歩は助けるために山荘を出ようとするが、江森に「お前が行く必要はない。救助隊に任せておけ」と止められてしまう。最初は「何のことですか?」とごまかそうとしていたが、江森に見抜かれていることを察して「もしものことがあったら」と救助に向かうことを伝えた。

江森に「お前がやろうとしてるのは“医療行為”ではなく“救助行為”だ。それは医師の仕事じゃない」と言われるが、歩は「プライベートで来ているので好きにさせてください」と制止を振り切り、聡一を捜しに行ってしまった。

なんとか聡一を見つけることができた歩だったが、救助隊に連絡しようとしたらケータイが圏外。

山荘で電話を受けた時に地図に丸印をつけていたので、江森はそれに気付いていると思うが、高山病と低体温症を併発している可能性があると判断した歩は、聡一に肩を貸して、標高を下げるために少し下山することを決めた。

■江森が歩の行動に怒り「それでも山岳医か!」

途中、歩が足を捻挫し、山荘まで行くのを断念してテントを張って朝まで待つことにした。

その頃、救助隊員は聡一が遭難した場所にやってきたが、荷物はあるが人は見つからず、その日の救助作業はそれ以上行わず、引き返すことに。

朝になり、救助隊のヘリがやってきて2人は病院に搬送された。搬送中のヘリの中で救助隊の豪徳寺(平山祐介)が無線連絡を受け、何やら深刻そうな表情になっている。

無事に2人は病院に送り届けられたが、豪徳寺は歩に「救助は救助隊に任せてもらいたかった。そうすれば二次遭難が発生することも、航空隊が向かう必要もなかった」と伝えた。

豪徳寺が歩に苦言を呈したのには理由があった。別の遭難現場からも救助要請が入ったが、歩らの救助があったため、そちらの救助に遅れが出てしまっていた。

これに関して、院長の周子(檀れい)も歩をかばうことができず、江森は「遭難者を救いに行ったはずのお前が遭難者そのものになったんだぞ。それでも山岳医か!」と厳しい言葉をぶつけた。

■“ヘリのタクシー化”と非難されてSNSでMMTが大炎上

歩の行動は、江森からの叱責どころではない大事へと発展。SNSで大炎上することとなった。

聡一がMMTの医師に助けてもらい、ヘリで搬送されたことを歩との笑顔の写真と共に投稿。これに対して、“ヘリのタクシー化”と非難され、そのせいで別の遭難現場の患者は意識不明のままだということを患者の家族が投稿し、MMTへの非難が拡大していった。

週刊誌にも記事が掲載され、まさにMMT存続の危機といった状況に。江森は「全てお前が突っ走った結果だ」と言い、学童登山の時の忠告「お前の正義がいずれ誰かの身を滅ぼす」を再び持ち出した。

■救える命と救えない命、そして救わない命をいかに迅速に見極めるか

正義感の強い歩だけに、今回のことはかなりへこんでいる様子。そんな時、真吾(向井康二)から電話で店に呼び出された。真吾は思っていることをストレートに歩にぶつけ、歩もそれを素直に受け入れて謝罪。

院長室に呼び出された歩は、救助が遅れた患者は意識を回復し、順調に回復に向かっていることを聞かされた。周子から「山岳医療に最も大切なのは、医療技術でも登山技術でもない。判断力かもしれない」と、江森からも「救える命と救えない命、そして救わない命。それをいかに迅速に見極めるかだ」と教えられる。

SNSの炎上は沈静化に向かいそうだが、MMTの取りつぶしを願う人たちからの攻撃はまだまだ続きそうだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部