人気漫画『金田一少年の事件簿』の原作者・樹林伸(天樹征丸)が、10日放送のJ-WAVE「GRAND MARQUEE」に出演。『金田一少年の事件簿』の名セリフ「じっちゃんの名にかけて」の誕生秘話を語った。
【写真】ちょっと怖い…『金田一少年の事件簿』原作者の樹林伸
この日は『金田一少年の事件簿』シリーズ、『サイコメトラーEIJI』など数多くの人気作品を世に送り出してきた樹林が、漫画から自身のライフワークであるワインの話までじっくり熱弁。ナビゲーターの川内啓史、近視のサエ子とともに裏話を展開した。
■『鬼滅の刃』無限城に「おいおい俺の方が先だぞ、みたいな(笑)」
【サエ子】樹林さんの作品は初期設定がすごい面白いです。個性的な初期設定が多いイメージ。『エリアの騎士』だと亡くなったお兄ちゃんの心臓移植をしてお兄ちゃん降臨させちゃうとか『サイコメトラーエイジ』とか。いわゆる初期設定っていうのはどんなふうにおりてくるんでしょうか?
【樹林】過去に読んだもので、「これいけるな」なんて感じることありますよね。例えば、『記憶する心臓』っていうね、ノンフィクション的なものです。取材して本当に心臓移植した人がドナーの記憶がどうのこうのみたいな内容なんですよ。すごく面白くて、スポーツ選手はどうなのかなって思ったんですよ、それ見ながら。「兄弟だったら面白くね?」みたいな。「(このネタを)いつかやるかな」みたいな、どっかにプールしてんだよね、そういうのって。何かサッカーものとかやろうかな、シュートあったし、やってみようかな久しぶりなんて感じで。ネタは、メモとかしない。忘れるならその程度。
【サエ子】すごい。確かにそうですね。本当に面白いって忘れないです。
【啓史】それでちょっと僕的にちょっと伺いたいことがあって、『GetBackers』についてなんですけど、あれの世界観とかって、今で言うと、メタバースだとかそういうムーンショット計画だとか当時あったらマトリックスがちょっとそうですね。あの世界観も当時の何かからヒントを得たみたいな感じで?
【樹林】なんか夢かうつつかみたいなね、なんか現実なのかそうでないのかなんてことは何かわかんねなってやっぱりふっと思うときが何度もあって、そういうことって何か物語になるなと思ったんですよね、前から。裏新宿無限城ってちょっとなんかいいネーミングじゃないですか。
【啓史】いいですよね
【樹林】最近何か鬼滅でも無限城で出てきて、おいおい俺の方が先だぞ、みたいな(笑)。そういうファンタジーなのか科学なのかわかんないような、ギリギリのところ、実はでも最先端の物理ではそうなってきてるわけですよね。ちょっと怖いなっていう気持ちとかもあって、そんなようなことを漫画にしてみたかったんですね
【啓史】あの当時にっていう
【樹林】早かったですよね
【啓史】早いですよね。あの当時にすごいですね。ちょっと『GetBackers』でもう一つ聞きたかったのが、あるシーンで、洗脳された子供たちが襲ってくるんですけど、そこのシーンでTOTOの「ジョージポージー」を歌いながら襲ってくるっていうシーンがあって、なんだなんでこうなんだろう? と思って。なんで「ジョージポージー」を歌いながらいきなり襲ってくるんだろうって。
【樹林】なんかちょっと気持ち悪かったんじゃないですか、それが(笑)
【サエ子】数年前にX、当時ツイッターですね、そのシーンがバズってたんですよ。これはTOTOじゃないかって。その当時けいしくんとまだ番組やる前ですけども、2人でSNSでなんでだろうねだろうねって話だったんでです(笑)。
【啓史】そうなんですよね、びっくりしますよ。
【樹林】そういう変なことやるんですよ、僕。
■『金田一少年の事件簿』裏話 金田一耕助を知らない読者が多数
【サエ子】思い出深い作品について詳しくお聞きしたいんですけども、私が『金田一少年事件簿』の世代なんですよ。
【樹林】そんな感じですね
【サエ子】どんぴしゃなんですよ。だからもうめちゃくちゃその話もお聞きできると嬉しいんですけど。「じっちゃんの名にかけて」っていう名ゼリフは…
【樹林】企画段階から、なんか決め台詞を入れようと思ってたんですよ。最初、謎は全て解けたって言うつもりだったんすよ。最初っからそうでした。犯人はこの中にいるとか。
それってミステリーには絶対にある瞬間じゃないですか。「犯人はこの中にいる」とか。読者は犯人はこの中にいるんだろうなって思いながら読むわけです。でも言った方がいいよねと思って、漫画では言わそうと思って。その二つっていうか、正確に言うと本当に厳密絶対これって思ってたのはやっぱり「謎は全て解けた」んですよ。そのうち何か連載やってるうちに、でもこれじっちゃん、伝説の名探偵と言われたじっちゃんを出さない手はないよねって。
最初に出した時は、「名探偵と言われたじっちゃん、金田一耕助の名にかけて」っていうセリフだったんですよ。それがだんだん面倒くせえな、長げぇなと思って、じっちゃんでいいやって。やってるともういいかなみたいな。最初は金田一耕助って言わせたかったんですよ。触れたかったんですよ。好きだったしね、金田一耕助。金田一耕助の孫なんだへえ~って言われせたいみたいな気持ちもやっぱりあったし。
ルパン三世と同じですよね。なんかそういう孫っていいなと。それで始めたんですよね。そしたら、これなんか語呂いいなと思って、このタイミングで必ず言わそうって決めてやってて、ドラマでドカンみたいな。
【サエ子】当時流行っていて、まだその難しい本を読む年頃じゃなかったので、金田一耕助を知らなかったんですよ。金田一耕助は知らないけど、金田一少年を知ってる状態で。
【樹林】多かったですよ、そのころの子どもには
【サエ子】後から耕助ってあの耕助さんなんだって
【樹林】そうそう、もう金田一少年から入ってもいいけど金田一耕助を読んでね、みたいな。日本ミステリー本当に金字塔ですからね、読んでほしいなっていう
【サエ子】まんまとそのルートに乗った
【樹林】面白いけどね、やっぱり今読むとね。最高ですよね。
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