仕事や職場に不満はあるが、生活のために我慢して働いている人がほとんどだろう。一方で辞めようと決意した人には相応の理由があるものだ。
秋田県の50代男性は、地方にある事業所を辞めようと思ったときのことをこう回想した。
「田舎あるあるとも重複すると思います。事業所に近い、もしくは生まれ育った人間が立派という考えが根強いです」
地元民というだけで評価される職場だったようだ。よそから来た人には居心地がかなり悪く、これだけでも辞めたくなる人はいるだろう。(文:天音琴葉)
上司は「コインランドリーで他人が使っている洗濯機を止め自分の物を洗濯するタイプ」
この職場では上司にも恵まれなかったようだ。男性より年下の上司は仕事をサボっていた。
「よく喋る人で仕事の話もしているが1日中喋りに職場に来ているイメージです」
サボる上に能力も低く、いろんな部署を回されていたという上司。尊敬に値しない上司の元で、やる気は萎えるものだ。また、「コインランドリーに行って他人が使っている洗濯機を止め自分の物を洗濯するタイプ」と男性が批判したように、上司という立場を利用し、強引な振る舞いもあった様子。なおさら嫌だっただろう。
すると上司は、そんな男性の心を見透かしたかのように、「あなた私のこと嫌いでしょう」と、あるとき声を掛けてきたという。そのときの心境を、
「正直突然言われ驚きました。実は別の人には、『私、あの人嫌いなんだ』と話している……」
と明かした。同僚に上司の愚痴をこぼすことは誰しもあるが、まさか上司本人に筒抜けだとは思いもしないだろう。
「俺は昔~だった」が口癖の同僚
男性が辞めたいと思う要因となった人物が、上司のほかにもう一人いた。「その上司に便乗する人」がさらに厄介だったそう。その人は地元民であるために、前述の通り会社から評価されていたようだ。本人もそれをよくわかっているのだろう。
「この人は『俺は昔、~だった』とマウントをとるかと思えば、『少しは俺のことを労え』というタイプ」
とし、偉そうな振る舞いが目についたそう。この同僚とお喋り好きな年下上司が揃うと長話になり、とばっちりを受けることもあった。
「退勤直前に足止めされたことが複数回あり、予定して用事に遅れるなどの経験があった。先程の(年下)上司が一緒になるとお喋りがメインで、本来30分で終わる事柄が数倍の時間を要しても、知らないフリをする始末でタチが悪いです」
この二人が出してくる指示にも、納得がいかなかったようだ。年下上司の男性への指示が、同僚に対するものとは異なることがあった。しかし上司に言われた通りにしたら、あろうことか上司は「なに人と違ったことをしている」と叱責したというのだ。
また、後者の同僚も男性にだけ書類をパソコンで作らせず手書きさせた挙句、「全然違う」とやり直しを指示したことがあった。これはいじめだと思われても仕方ないだろう。
「本当に無駄なことだと思いました」
うんざりしたのは男性だけではないようで、特に新人は入社するなり即行で退職するため、人手不足に陥っているという。だが、地元民など一部の人には居心地の良い職場のようだ。
「事業所にゆかりのある人が定着しているので会社の体質は変わることはほぼ皆無です」
このような職場に新人が入り込むのは難しいだろう。一方で男性は自身の現状について、この職場から離れたと打ち明けていた。異動したのか、転職したのかわからない。いずれにせよ現在の職場ではうまくいっているといいのだが。
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