職員を死に追い込むに対するパワハラ行為や、視察先での過剰な〝おねだり〟行為が問題視されている斎藤元彦兵庫県知事に対し、兵庫県議会は全議員が辞職要求を突きつける事態となっている。
第2会派である兵庫維新の会は9月9日に「百条委員会の場を含めた斎藤知事の説明は、議会や県民が納得できるものとは言い難く、県政運営に支障が生じ始めている」として、出直し選挙で民意を問うべきだとする申し入れを行った。
そして12日には最大会派の自民党が辞職を申し入れる方針で、これには公明党、立憲民主党、共産党、さらに無所属の県議4人が同調するということで、これで全県議が知事に辞職を申し入れる異例の事態となりそうなのだ。
だが、本人は一向に「辞める意思」を見せる気配すらない。もはや、SNS上ではそのメンタルの異常なまでの頑丈さに感嘆の声が上がるほどだ。
しかし、そんな斎藤知事に対する包囲網に異議を唱える人物がいた。なんとそれが、舛添要一元東京都知事だというのだ。
舛添氏は「週刊女性」の中で意見を述べているが、斎藤知事が辞めないことについては「私にはわかりません」と前置きしつつ、今回の騒動には違和感を覚えると首をひねっているのだ。
例えば、問題にされている〝おねだり〟について、舛添氏は「知事が視察に行くとその場で特産品を食べさせてくれる。必ずお土産を持たせてくれる」と明かし、その場で食べることが宣伝になると指摘した。その上で「私の時はこっちが断りたいぐらい持ってきてくださるのが普通でした。おねだりしないともらえない状況に驚いています」と、悪びれることなく言い放っている。
さらにパワハラ疑惑については、知事を支援する官僚の仕事が不十分だった可能性があると指摘し、「知事を怒鳴らせないよう仕事をさせるのが官僚の仕事のはず」と、自身が厚労相だった時を例に出しながら「よくこれで県政が回っていたな」と、むしろ官僚側の姿勢を疑問視したのだ。
だが、一連の舛添氏の〝斎藤擁護〟とも取られそうな、上から目線の経験則発言は総スカン状態だという。テレビ関係者は苦笑しきりで、
「9日に放送された『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(TBS系)で、元宮崎県知事の東国原英夫氏がおねだり関連について、知事時代に確かに宣伝のために特産品をテレビカメラの前で食べると発言していました。それがPRになると。そして舛添氏が話したように贈答品は実際にあるようですが、それはスタッフや職員に平等に配ると言っていました。少なくとも斎藤知事のようにおねだりしたり、独り占めすることはありえないと。しかし、舛添氏はまるで斎藤氏に落ち度がないような言い草。これには『同じ穴の貉』だと、公用車乗り放題、ホテル三日月に政治資金で家族旅行など猛批判にさらされ、〝精査〟という言葉がブームとなった、あの悪名高き都知事時代を揶揄する批判が殺到です」
辞任要求にはなかなか応じなかった点でも、斎藤知事と舛添氏はメンタルの強靭さで共通点があったが…。自身の件については「いろいろ報道されましたが、半分ほどはでっちあげ。そんなことで都知事を辞める気はありませんでした」と、この期に及んで再び開き直っている。
どちらにせよ、いろんな意味で斎藤氏とソックリだった舛添氏が「他人事とは思えない」とおもわず味方になってしまったとしたら、もはやそれは〝性〟なのだろう。
(田村元希)
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