2024年9月10日、韓国・ハンギョレ新聞は、韓国のコストコで販売されていた米国産牛肉の中から散弾銃の鉛弾のかけらが2個見つかったと報じた。
記事によると、7月19日にコストコ楊平(ヤンピョン)店でプルコギ用牛肉を購入して食べたAさんは、硬い異物が混入していることに気付いた。吐き出してみると、ごはん粒よりやや小さい金属のかけらだった。調査の結果、異物は散弾銃の鉛弾だと分かった。「米国の農場で鳥を追い払うために使される散弾銃の鉛弾が牛肉に刺さり、そのまま韓国で流通していた」のだという。
この牛肉は中堅食品会社系列の肉類輸入会社B社が米カンザス州の農場から輸入したものだった。B社から原料肉を購入したコストコが、プルコギ用として小分けにして販売したという。関係者によると、B社が原料肉を加工して販売する製品に関しては、金属探知機で異物混入がないか調べているが、塊のままコストコに納品された肉類は別途、金属探知機による異物混入検査は行われないため、Aさんの食卓に弾丸入り牛肉が届いたという。
Aさんによると、コストコは一貫して「消極的な対応」だった。鉛弾を渡して1週間以上待ったが説明がなく、しびれを切らして自ら連絡したところ、ようやく「散弾銃の銃弾と推定される」との回答を得たという。「コストコは当初、輸入業者に問い合わせをするよう言ってきた」「他の顧客が問題の牛肉を買った可能性について指摘すると、『こちらにできることは何もない』との回答だった」とも証言している。
また、記事は「銃弾入り牛肉を検出できない食品医薬品安全処による輸入衛生評価にも問題がある」と指摘している。輸入畜産物は「公衆衛生上、害を与える可能性のある重金属などの残留物質については韓国の衛生関連基準および規格に適合しなければならない」との規定があるが、金属検出義務は輸出国(今件の場合は米国)に任されているという。
食品医薬品安全処関係者は「過去10年間こうした事例がなかったので、(金属探知が)重点検査の項目に入っていなかった」と説明している。しかし記事は「昨年6月にもネット上のコミュニティーに『コストコで買った米国産牛肉から散弾銃の銃弾が見つかった』という投稿があった」と指摘している。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「コストココリア、ありえない。韓国から撤退せよ」「コストコ不買運動だ」「1000億ウォンの訴訟を起こすといい。米国なら可能だ」「コストコはもっと製品の品質に気を配るべき。消費者にそっぽを向かれると怖いことになるよ」「これでは牛海綿状脳症(BSE)じゃなくてもあらゆる病気にかかった牛の肉が輸入され、ふるい落とすことができず流通するだろう」「こんなことがあったら同じロットの製品を回収するのが原則じゃないのか?」など、怒りの声が寄せられている。
一方で、「吐き出せばいいだけ。そんなに騒ぐようなことか?」「安いからそんなものでしょ」といったコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)
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