ダイエット情報が氾濫する今、どの方法を選べばいいかわからない。そんな悩みに寄り添うのが、健康について知り尽くした医師たちが自身の「体」で証明したダイエット方法だ。この秋、トライしてみよう!

今回は多忙な医師でも実践できる最強のお手軽ダイエットを紹介する。

◆多忙な医師でも-10㎏に成功!「8時間ダイエット」とは一体?

「体重や血圧、血液検査をして患者に『減量しましょう』と伝える内科医が、太っていたら良くないですよね」

そう笑うのは、JR川崎駅直結の駅ビル内にある「ナビタスクリニック川崎」で院長を務める、内科医の谷本哲也氏(51歳)だ。

180㎝で、72㎏と標準体形だが、実は4年前のコロナ禍で15㎏以上増え“ぽっこりお腹”になった。

「一番大きかったのは、多忙による運動不足と過食ですね。お酒も飲みましたし、帰宅後の深夜に菓子パン数個を食べるのも珍しくなかったですから(苦笑)。健康診断では『C』レベルで、医師ながら、服薬治療の一歩手前でした」

◆医学雑誌で研究成果が発表されている『間欠的ファスティング』とは

カロリー制限や運動によるダイエットで一時的に減量したが、リバウンドのリスクは高いと判断。「カロリー計算を気にせず、習慣的に続けられる方法を」と選んだのが、一日16時間絶食し、残り8時間は好きなものを食べる、いわゆる“8時間ダイエット”だった。

「世界的な医学雑誌でも研究成果が次々に発表されている『間欠的ファスティング』とも呼ばれるダイエットです。人間のエネルギー源となるブドウ糖は、10時間ほど絶食すると枯渇します。すると、糖質の代替エネルギー源としてケトン体が体内で作られ、その過程で脂肪が分解されるため、高いダイエット効果が期待できると言われています」

谷本氏の場合、朝7時から15時までを「食べる時間」と定めており、この日は朝食もしっかり摂ったと明かす。

◆多忙さを「逆利用」してチャレンジする価値アリ!

その後は10時から診療開始で、5分おきに患者に対応する。最近は昼休みなしで率先して診療に当たっているといい、お昼を食べる暇もないが、合間に時間があるときは駅ビルの地下で寿司や総菜を買って済ませる日々が続いている。寿司には糖質も含まれるが、ドカ食いをしなければ問題はないという。

15時、「タイムリミット」に合わせるように、大好物というコッペパンを診療の合間に口に放りこんだ谷本氏。ここからは「食べない」時間帯に突入する。

16時間絶食して飢餓状態に陥ると、体内の老廃物を分解するオートファジーの働きが活発になり、老化防止にも繋がるんです」

実践を始めて2か月がたつ頃には10㎏近く面白いように体重が落ちた。

「慣れてきたら『16時間絶食』はそこまで厳守しなくていい。今も、ドカ食いや脂っこい食事は極力控えていますが、菓子パンを口にしたり、飲み会に参加したりすることもある。食べ過ぎた翌日は食べる量や絶食の時間を調整しています」

医師に限らず、食事を摂る時間もない多忙な社会人ほど、その多忙さを「逆利用」して、チャレンジする価値がある。

◆谷本氏の平均的スケジュール

6:30 起床

――食べる時間帯スタート――

7:00 朝食(ゆで卵・トースト)、メール・論文チェック

8:30 出勤

10:00 午前の診療開始

13:00 オンライン会議、昼食(お寿司パックなど)

14:00 午後の診療開始

15:00 食べる時間帯終了

――以降、食べない時間帯スタート――

20:00 午後の診療終了

21:30 帰宅(夕食は摂らず)

22:00 オンライン会議、メール・論文チェックなど

24:00 就寝

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※9月10日発売の週刊SPA!特集「医者が実践するダイエットの正解」より

―[医者が実践するダイエットの正解]―


谷本氏が8時間以内に食べていたもの。いっぺんにでなく、小分けに摂取するのがおすすめ