アメリカのインディーゲームパブリッシャー(販売元)であるAnnapurna Interactiveで2024年9月、同社の社長を務めていたネイサン・ゲイリー氏をはじめとした全スタッフ25名の辞職が明らかとなった。
本トピックについては、9月6日に海外メディアのThe Hollywood Reporterがゲイリー氏と幹部2名の辞職を報じており、米ブルームバーグ誌も同報道の続報として伝えている。
※2023年6月に配信されたショーケースイベントのアーカイブ映像
米ブルームバーグ誌の報道によると、親会社・Annapurna Picturesの代表を務めるミーガン・エリソン氏はビデオゲーム部門であるAnnapurna Interactiveの分社化について検討を進めていたが、交渉の決裂にともなってゲイリー氏と共同責任者のDeborah Mars氏とNathan Vella氏が辞任。ほかのスタッフもゲイリー氏らに続く形で辞職を表明したという。
また、ゲイリー氏の辞職にともない、Annapurna Interactiveでは同社の立ち上げに携わったHector Sanchez氏が転職先のEpic Gamesから戻る形で新社長に就任している。
Annapurna Picturesのビデオゲーム部門として2016年に新設されたAnnapurna Interactiveでは、『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』や『ゴロゴア』、『Florence』、『アウター・ワイルズ』をはじめとした感動的かつ独創的な作品が送り出されており、国際的なアワードでの受賞・ノミネート歴と“Annapurnaブランド”への信頼を積み上げ続けていた。
近年ではSF世界を冒険する猫のアドベンチャーゲーム『Stray』が2022年の「The Game Awards」で2冠を達成したほか、翌年にもパズルアドベンチャーゲーム『Cocoon』がベストデビュー・インディーゲーム賞を獲得。2024年には謎に満ちたホテルをさまようミステリー作品『Lorelei and the Laser Eyes』や、不思議な生き物たちを集めながら空を飛ぶゲーム『Flock』が配信されている。
広報担当者は米ブルームバーグ誌に対し「進行中のプロジェクトおよびゲームタイトルはすべてAnnapurnaの傘下に残る」とコメントしているが、同社の混乱は提携しているゲーム開発者らの間にも広まっているようだ。
未発売の作品には『サイレントヒル』シリーズの新作タイトル『Silent Hill: Townfall』や『塊魂』を手がけた高橋慶太氏の新作『to a T』も含まれているため、各作品の開発スタジオによる公式SNSアカウントをフォローし、続報を見逃さないよう注意されたい。
米ブルームバーグ誌の報道(原文)はこちらAnnapurna Interactiveの公式サイトはこちらAnnapurna Interactiveの公式Xアカウント(@a_i)はこちら
コメント