8月28日(水)、株式会社バンダイナムコエンターテインメントより『テイルズ オブ』シリーズ30周年を記念したプロジェクトが始動した。

弊メディアは、そんな「リマスタープロジェクト」の第一弾「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」(以下グレイセス エフ リマスター)をプレイする機会をいただいた。

実際に「グレイセス エフ リマスター」を遊んでみると、シリーズ屈指の戦闘の面白さはもちろんそのまま、「めちゃめちゃ遊びやすくなっている!」と率直に感じた。

Wiiで発売され、その後PS3にて発売されたタイトルのため、2024年現在の現行機で遊べるようになっている時点で既に“遊びやすい”と言えるのだが、もちろんシステム面でもさまざまなアップデートが行われているのだ。

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本記事では、リマスターとなって現代に甦る「グレイセス エフ リマスター」の魅力について紹介する。さらに記事の後半には本作のプロデューサー・石川結貴氏へのインタビューを掲載。「グレイセス エフ」や、30周年記念プロジェクトについてなどの貴重なお話を伺うことができたので、そちらもあわせてチェックしていただきたい。

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文・取材/fab
編集/anymo

「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」公式サイトはこちら『テイルズ オブ』シリーズ30周年記念サイトはこちら

プレイした瞬間にわかるグラフィック面の進化。キャラがもっとかっこよく、もっとかわいく輝いて見える

『テイルズ オブ』シリーズと言えば、第1作である「テイルズ オブ ファンタジア」が1995年に発売されて以降、2021年に発売された家庭用のシリーズ最新作『テイルズ オブ アライズ』まで現在も続いている国民的RPG。シリーズをまだプレイしたことが無い方でも、“テイルズ オブ”という単語を一度は耳にしたことがある方もいるのではないだろうか。

そんな長寿タイトルの本シリーズが、2025年12月15日に発売30周年を迎える。上述のとおり30周年を記念したプロジェクトが先日発表され、同時にシリーズ過去作品をリマスター化するプロジェクトが始動している。

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(画像は『テイルズ オブ』シリーズ 30th Anniversary公式サイトより)

そして本リマスタープロジェクトの記念すべき第1弾が「守る強さを知るRPG」こと『テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター』だ。本作は2009年にWiiで発売されたシリーズ12作目『テイルズ オブ グレイセス』、2010年にPS3で発売された『テイルズ オブ グレイセス エフ』を題材とする作品。

Wii版発売から15年もの時が経ち、この度現代に甦ることに喜ぶファンの方も多いだろう。筆者も正直、めちゃめちゃ嬉しかった

作中では幼年期編・青年期編・未来への系譜編と3つの年代に分かれてストーリーが進行するという、シリーズの中でも珍しい構成となっている。主人公のアスベル(CV:櫻井孝宏)が、記憶を失った少女ソフィ(CV:花澤香菜)や王子のリチャード(CV:浪川大輔)と共に成長し、「大切なものを守る」ために世界の命運を握る戦いへと身を投じていく。

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本作の特徴のひとつとして、とにかくパーティメンバーの仲がいいことが挙げられるだろう。「テイルズ オブ シンフォニア」や「テイルズ オブ ヴェスペリア」など、シリーズではパーティメンバーの仲がいい作品が多数存在しているが、『テイルズ オブ グレイセス』は一段ギアを上げて仲がいいと筆者は感じる。もはや家族と言っても過言ではない。

いざ実際にプレイしてまず驚いたのは、グラフィック面の進化だ。主人公のアスベル、ソフィをはじめとした仲間たちがさらにイケメン&かわいくなっていることにすぐ気づく。髪の毛などに当たる光の影がしっかり描写されているので、キャラクターがキラキラ輝き、街や景色もより綺麗になっている。

公式サイトによると、PS5、Xbox Series X、Steamは4K画質まで対応、くわえてPS5版、Xbox版は60fps、Steam版は最大120fpsのフレームレートが出るのでアクションもヌルヌル動く。なのでただキャラクターを動かしているだけでも楽しいし、広大なマップや街を探索するだけでも楽しい。原作をプレイしたことがある方はその差に驚くこと間違いないだろう。

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リマスター版の変化はただグラフィックが良くなっただけではない。本作を遊んだことがある方も、シリーズを初めて遊ぶ方にも楽しんでもらえるように、ユーザーに対して親切なゲーム設計が施されているのだ。

例えば新たに追加された目的地ナビゲーション。筆者のようにプレイ中に気になる場所をあれこれ寄り道をしまくっていると、本来の目的地がどこなのかわからなくなってしまうことがたびたびある。しかしこの機能により常に画面上に目的地アイコンが表示されるので、もう迷うことはない。

逆に本来の目的地以外を隅々まで探索することも可能だ。なおこの機能はオフにすることもできるので、プレイスタイルにあわせて選択しよう。

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ゲームプレイ中に発生するサブクエストの中には期間限定のものがあるのだが、「グレイセス エフ リマスター」では砂時計アイコンにてその存在を強調してくれる。これも、プレイしているとすごくありがたく感じる。これによって時限クエストを取り逃してモヤモヤすることもなく快適にゲームをプレイすることができる。

さらに作中ではサブクエストやダンジョンなど、移動を繰り返すシーンも多い。筆者もなるべく敵は倒していくプレイスタイルを取ってはいるものの、戦力差が明白な場合や、単純に全部倒すのは大変と感じる場面があった。

しかし本作ではいつでも切り替えられる「エンカウントオンオフ」機能や倍速移動など、移動に関する快適さも確保されている。よって敵とエンカウントして足止めをくらうことも無く、スムーズにゲームを進行することができると言えるだろう。

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また、本来ならばゲームをクリアした後に解放される機能「グレードショップ」も1週目から使うことができる。これはいわゆる「強くてニューゲーム」的な要素で、ポイントを消費することで様々な恩恵を得ることができるというシリーズおなじみのシステムだ。

グレードショップには「獲得経験値2倍」や「獲得できるお金2倍」などのカジュアルなものから、「敵味方共にダメージが倍」まで多岐にわたる。

この機能は切り替えられるものとそうでないものに分かれているので選択する際には注意が必要だが、筆者もはじめからプレイした際にはとりあえず獲得倍率アップ系を獲得し、必要に応じてオンにするというプレイスタイルで臨んでいた。

上記のように、短い試遊時間でもリマスター版の進化した部分をすぐに実感することができた。ほかにも大小様々なユーザビリティの向上が見られ、とにかくユーザーに親切で遊びやすいゲームになっていると感じた。名作と名高い「グレイセス エフ」が、ストーリーやバトルの面白さはそのままに、より美しく、より遊びやすくなって再登場していると言えるだろう。

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『テイルズ オブ』シリーズ屈指の面白さを誇る戦闘。2つのスタイルを使い分けて勝利を目指せ

本作はパーティメンバーの仲がいいことが特徴的なのは上述の通りだが、くわえて戦闘も特徴的だ。公式の表記をそのまま使うと、“スタイルシフトリニアモーションバトルシステム”を採用している。各キャラクターにはふたつのバトルスタイルが設定されており、バトル中に切り替えながら戦うというシステムだ。

例えば主人公のアスベルは、普段剣を鞘に収めたまま攻撃を行うが、バトルスタイルを変更すると鞘から剣を抜いた状態で攻撃を行うといったもの。このシステムにより、アクションの幅がとても広くなり戦闘により奥深さを出していると言えるだろう。

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3Dフィールドで敵味方入り乱れる戦闘の本作では、バトル中にCC(チェイン・キャパ)と呼ばれるゲージを消費して攻撃や回避などを行う。CCは時間と共にすぐに回復するので、管理はそこまで気にしなくても大丈夫だ。実際筆者も適当に攻撃ボタンを押しているだけで形になっていたし、カッコいいアクションを繰り出すことができた。

くわえて戦闘中には敵の攻撃を回避できる「アラウンドステップ」も登場。これはいわゆるジャスト回避のようなもので、攻撃にあわせてうまく発動できると即座にCCが回復し、更なるコンボに繋げることができる。

ジャスト回避とは言ったもののそこまでシビアでは無いので、本シリーズ初心者の方でもボタンをポチポチ押しているだけでも発動する。活用してスタイリッシュなアクションを決めていこう。

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バトル中に使うことのできる技や術は、物語を進めたり条件を達成したりすることで獲得できる“称号”を装備することで新たに覚えられる。その数なんと100個以上。ストーリーが進んでいくと新たな技も習得でき、自分もどんどん強くなっていく実感を得ることができる。

シリーズをプレイしている方は、技のアクションを見るために敵との戦闘を仕掛けていった経験があるのではないだろうか。筆者もとりあえず新しい技は試したい性分なので、プレイ中はそこら辺の敵に試し切りして、演出を見て楽しんでいた。

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戦闘の内容とはすこし逸れてしまうが、筆者はバトル中、キャラクターが技や術を発動する際の掛け声・セリフにも注目していた。これはシリーズおなじみである、技ごと・術ごとに設定されたセリフを攻撃と同時にキャラクターが発してくれるからだ。

しかも、「せいっ!」「やぁ!」などの定型のものではなく、ちゃんと“技名”を叫んでくれる。しかも技もめちゃくちゃある。

筆者はこの仕様がすごく好き、いや大好きだ。特に術の場合は発動するまでの“詠唱”時間が存在するのだが、各キャラクターが口上を披露してくれる。これがすごく厨二心をくすぐるのだ。

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CV:櫻井孝宏の「魔神剣」が聞けるのは本作だけ!…かもしれない

ほかにも、バトル終了後のリザルト画面での掛け合いや、ストーリーの合間に紙芝居的に展開されるグルーヴィーチャット(他シリーズではスキットとも)など、「グレイセス エフ」の魅力的な部分が余すことなくリマスターされた本作。懐かしくありつつも新鮮な本作は、すでにプレイした方にも、初めての方にも同じくらいオススメしたいタイトルだ。

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石川結貴氏インタビュー:一ファンとして「いい作品を布教したい」からこそ、リマスターへの喜びを露わに。今後の展望も

さらに取材では株式会社バンダイナムコエンターテインメント 「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」プロデューサー・石川結貴氏(以下、石川氏)に「グレイセス エフ リマスター」や、30周年記念プロジェクトなどの貴重なお話を伺うことができた。

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プロデューサー・石川結貴氏

──本日はよろしくお願いします。まずは今回の「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」実現に至った経緯をお聞かせください。

石川氏:
プロジェクト全体としては、今年の12月にシリーズ30周年を迎えることをきっかけに「リマスタープロジェクト」という形で、改めて往年の名作たちを再び遊んでいただく機会を皆さんにお届けしようという概要がありました。

お客さんからの要望も理由の一つですが、開発的な話で言うと、データの触りやすさなども理由のひとつです。海外向けの理由で言うと、「テイルズ オブ エクシリア」以降様々な地域で多言語展開しているんですけど、「グレイセス」までは、実は4言語ほどの少ない言語数しか対応してなかったんです。

そのため、“「グレイセス」を現行機で遊びたい”というお声を非常に多くいただいていて、今回ご期待に添える形になったのかなと思います。

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──なるほど。国内外の声を反映して今回のリマスタープロジェクトでは「グレイセス エフ」が選ばれたのですね。今回の「グレイセス エフ リマスター」実現にあたって、技術的に難しかった点や苦労話などあればお聞かせください。

石川氏:
そうですね、「グレイセス」はなにぶん15年前のゲームですから、今とは作り方も違うので、解析するのに時間がかかりました。

あとは新しく機能を追加していこうとなった場合、元のテータを触るわけですから、その際に元のデータを壊してしまう可能性ももちろん考えられます。そうならないように開発チームのほうで丁寧に対応してもらっています。

──先程試遊した際に、アニメーションや音楽が非常に綺麗な印象だったのですが、それは新しく録り直したとかではなく、そのまま元のデータから持ってきたということなのですか?

石川氏:
そうですね。アプコンしたものもありますSEに関しては一部元の音をベースに音を作り直しているので、綺麗な音になっていると思います。

──30周年記念プロジェクトの話の続きになるのですが、今後のリマスター作品にも「グレイセス エフ リマスター」のような便利機能が追加されていくのでしょうか。

元の作品が違いますし、同じリマスターでもまったく同じにはなりませんが、大枠の方針は同じで、現代のプレイヤーが手に取って遊びやすいような作りにはしていきたいと考えています。

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──それは2D作品3D作品どちらでも変わらないポイントということでしょうか。

石川氏:
はい。方針は同じです。

当時と今ではお客様の生活も変わっているので、お客様がプレイしやすい、手に取りやすい機能を検討し、追加していきたいと考えています。ただ、先ほども伝えた通り、元々の完成したゲームを改変するのは難しいので、日々開発スタッフと頭を悩ませています。

──ありがとうございます。今回のリマスタープロジェクト発表以外にも、30周年記念プロジェクトで実施予定の企画などあればお聞かせください。

石川氏:
詳細は30周年記念プロジェクトが本格的にスタートする12月以降のアナウンスになると思います。25周年はコロナ禍でしたが、かなり力を入れて豪華にやらせていただきました。25周年より30周年が劣るわけにはいかないと思っていますので、私一人ではなくチーム一同で盛り上げていければと思います。

具体的に「これにご期待ください!」と明言できるものではないのですが、ゲームの展開としてもリマスタープロジェクトのアナウンスをさせていただいていますし、次のタイトルは何になるのかをお楽しみにしていただければと思います。

──「グレイセス」もそうですが、元々WiiやPS3のみの発売なので、今だと気軽にプレイするということが難しいですよね。今回のリマスターによって、より多くの人に触れてもらうきっかけになるのではないのでしょうか。

石川氏
ある意味この時代だから、様々なハードの選択肢があるからこそ、ライフスタイルやプレイスタイルにあわせて過去のタイトルを提供できることは、リマスターならではのことだと思っています。

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古い機種を引っ張り出さないといけないというハードルもそうですけど、例えば今家族がいて、テレビを占領しづらいライフスタイルの方もいらっしゃるかと思います。

そういう方にもお応えできるのもプロジェクトの利点だと思いますし、私自身一ファンとして「いい作品を布教したい」という想いもあるので、このような機会を設けられて嬉しく思います。

──その話で言うと、今後のリマスター作品も同じようなプラットフォームで発売されるということでしょうか。

石川氏:
そうですね、まだ確定してお約束できることではないのですが、その時の現行機で遊べるということが大事なのかなと思いますので、その時々の現行機に対応していければと考えています。

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──今は30周年記念プロジェクトの方を進めていく段階ということですね。実際、先日の「グレイセス エフ リマスター」発表の際も大きな反響がありました。やっぱりみんな『テイルズ オブ』シリーズが好きなんだなと感じましたがいかがでしょうか。

石川氏:
あれだけの反響をいただけるのは、ひとえに応援して下さっているお客さんの力あってこそだと思いますし、素晴らしいオリジナルを作ってくれたメンバーがいたからこそだと思います。お客さんと、当時のチームと、今のチームには個人的にすごく感謝しています。

──『テイルズ オブ』シリーズの良いところって“どのタイトル”から入ってもいいところだと思います。1作品で完結しているものも多く、ほかタイトルにも手を出しやすい点が魅力だと感じます。今回の「グレイセス エフ リマスター」や今後発表されるタイトルにも期待しています。

石川氏:
まさに仰っていただいた通りで、作品の“連鎖反応”が起きることをある種狙っているプロジェクトではあります。

逆にいうと、友達や家族に「ちょっとこれやってみなよ」って言える機会やタイトルが多いに越したことはないと思っていますし、私も一ファンとして「その作品好きならこっちも遊んでみなよ」って思うこともあります。

そういった機会を提供するひとつの“橋渡し”的な役割を担えたのは一人のファンとして嬉しく思います。

そういう意味では「グレイセス」は特徴的な戦闘システムやわかりやすいキャラクタードラマが展開される作品になっているので、例えば「アライズ」の次に遊んでいただいてもあまり時間をかけずに馴染んでいただけると思います。

『テイルズ オブ』シリーズ公式サイトでたまにアンケート企画を実施させていただくのですが、「好きなバトルシステムのタイトルは?」という項目で「グレイセス」が圧倒的な1位を獲得しています。

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──圧倒的にですか!?

石川氏:
なので、定評で安心感のある今の時代でも色褪せないバトルが楽しめますし、キャラクタードラマに関しては『テイルズ オブ』シリーズは色褪せるとかそういうものは無いので、どのタイトルを遊んでいただいても感動体験があるとプロデューサーとして自信をもっていますね。「グレイセス」もその点は期待して遊んでいただければなと思います。

──シリーズ屈指の戦闘システムと、いつの時代も色褪せることが無い『テイルズ オブ』シリーズのストーリーが組み合わさっている作品なのですね。プレイするのが楽しみです。

石川氏:
屈指の仲良し6人組ですよ(笑)。

「エクシリア」も特に仲良しで、あと「シンフォニア」とかも仲良し組ですけど、『グレイセス』はさらにもう一段上の仲良しさですね。戦闘終了後の掛け合いもポップなものも多いですし、一方でシリアスさもありながら友情を感じられるキャラクタードラマも楽しめる、ある種王道JRPG作品ですね。どなたにもお話としては勧めやすいタイトルだと思います。

──『テイルズ オブ』シリーズって作中には暗い部分も存在しますよね。その緩急が魅力的で、作品に引き込まれます。例えば「ベルセリア」とか、シリーズの中でも異質な位置に存在していると感じています。

石川氏
ベルセリアは、一見だけすると主人公が「敵役」にも見える作品ですからね。

──だからこそ作品に奥深さが出ていると感じますし、先程仰っていただいた戦闘終了後の掛け合いや、グルーヴィーチャット(スキット)も作品を楽しめる要素のひとつだと思っています。

石川氏:
当時の“発明”ですよね。ドット絵だと再現しきれないキャラクタードラマを、ある種「紙芝居」的ではありますが、独自の表現で作品に落とし込むという。

──『ベルセリア』の漫才が個人的に大好きでした。真面目な話からコミカルな話まで、幅が広いのが特徴的ですよね。

石川氏:
例えば「アライズ」では、あんなにヴォルラーン【※】をどうしようかという展開の中、パーティメンバーはパンケーキ作りのスキットで大盛り上がりしていますからね。

※ヴォルラーン:『テイルズ オブ アライズ』に出てくる敵キャラクター

──最後に『テイルズ オブ』シリーズを応援して下さっている方々に向けてコメントをお願いいたします。

石川氏:
30周年自体は2025年に迎えるのですが、2025年に向けて、そして30周年に向けてずっと応援してきて下さっている方もいらっしゃると思います。また、シリーズの途中から、もしかしたら「アライズ」から応援して下さっている最近の方もいらっしゃるかもしれません。

本当に皆さんの応援なくしては、30周年も続くものではありません。改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

そうした皆さんの支えがあるからこそ、今回のリマスタープロジェクトが成り立っています。「過去作をもう一度遊びたい」と思っていただけるのは、決して当たり前のことではありません。

オリジナル版が面白く、中身もちゃんと評価されてお客さんの心に感動が残り続けているから、なおかつ発信し続けているからこそ今回の企画が成り立っていると思っています。今後とも変わらず『テイルズ オブ』シリーズを応援していただければと思います。

私も元々ファンから入社した身ではありますが、一担当者としてはこれまで『テイルズ オブ』チームが繋いできてくれたバトンを次の5年10年先に続けていきたいと思っています。ファンの皆さんには変わらず応援していただけるようにこれからも頑張っていきたいと思っていますので、この場でお礼と決意表明をさせていただきます。


今年の12月15日から本格的に始まるテイルズ オブ』シリーズ30周年記念プロジェクト。石川氏のお話にもあったように「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」を皮切りに、過去作品をリマスター化するプロジェクトもスタートしている。

国内のみならず海外も視野に入れた作品の選定や、リマスター化するにあたってプレイヤーのライフスタイルやプレイスタイルに寄り添った機種の幅や各種便利機能など、今回の石川氏のお話の中で様々な箇所に目を向けていることがわかった。

『テイルズ オブ』シリーズをまだプレイしたことが無い方も、既にプレイしたことがある方も、“名作”と呼ばれる「テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター」をぜひプレイしてみてはいかがだろうか。

そして、更なる展開が予想される本プロジェクトにも期待が高まる。「グレイセス エフ」以降はどのタイトルになるのか、どのようなイベントが始まっていくのか。今後の『テイルズ オブ』シリーズからも目が離せない。

※画面はPlayStation®5版の開発中のものです。

Tales of Graces™f Remastered & ©Bandai Namco Entertainment Inc. ©いのまたむつみ

『テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター』公式サイトはこちら『テイルズ オブ』シリーズ30周年記念サイトはこちら