上海の蘇州河ではこのほど、市民が無秩序に魚を放流したことで大量の魚が死亡し、1日に1トンの死んだ魚が引き揚げられたこともあり、注目を集めています。科学的根拠のない放流行為は動物の死亡、環境汚染だけでなく、外来種の侵入をもたらし、生態環境に危害を及ぼす可能性があるとみられています。
全長42キロの蘇州河の河岸ラインが整備された後、川面はきれいになり、河岸も美しく、特定の日に来て放流する市民を引き寄せ、「思い立ったら放流、ここで放流できる」と言う人もいました。
川の管理作業員によると、放流に来る人が増えるにつれ、引き揚げの難しさは年々増し、今年は1日で1トンの死んだ魚を引き揚げた「新記録」も作りました。年末までに引き揚げ量は昨年の7.9トンを超える見通しです。関係部門によると、上海の複数の部門は昨年、公共水域での放流活動を規範化するために共同で文書を発行しましたが、効果はわずかでした。昨年、全国初の外来種不法投棄民事公益訴訟事件が江蘇省で結審しました。事件の当事者の徐さんは、劉さんという人からアフリカナイル川水系原産のナマズ12.5トンを購入し、勝手に長蕩湖に放流しましたが、間もなく放流されたナマズが大量に死亡しました。長蕩湖水産管理委員会管理処の徐俊華副主任によると、漁政監督チームは10日間にわたり、累計10.104トンの死亡したナマズを引き揚げたとのことです。
最終的に、裁判所は被告の徐さんと劉さんが共同で権利侵害したと判断し、3万5000元(約70万円)の生態資源損害賠償金、1万8000元(約36万円)の専門家評価費、5000元(約10万円)の懲罰的賠償を連帯して負担しなければならないとの判決を言い渡しました。この事件の裁判長、南京環境資源裁判所の陳迎裁判長は、アフリカナマズは侵略的外来種であり、肉食性でどう猛であることを示しました。またアフリカナマズは長蕩湖水域では基本的に天敵がいないため、在来魚と競争関係になり、在来魚の生存に深刻な衝撃を与え、生物学的安全性に悪影響を与えるだろうと指摘しました。裁判で徐さんは、「私は外来生物とは何か、在来生物とは何か、法律も法規も知らなかった」と言い、違法な放流行為について何度も遺憾の意を表しました。
曁南大学生命科学技術学院の龔世平教授は、大量に放流すると環境に過剰な負荷がかかり、生態系の破壊を引き起こす可能性があるとの考えを示しました。龔教授は、「ある場所に魚が1000匹しか住めないのに、1万匹の魚が放流されると、過剰な魚は地元の資源を消耗し、在来魚を死亡させ、生態環境のバランスが破壊される。また無秩序の放流は交雑により現地種の遺伝資源を破壊し、深刻なマイナス影響が出る可能性もある」と語りました。(提供/CRI)
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