地対地ミサイルじゃないですよ。

「レオパルト2」戦車の派生型

ドイツの防衛企業であるラインメタルは2024年9月12日、次世代の対地雷工兵車両として開発した「Keiler NG(ケイラーNG)」のデモンストレーション動画を公開しました。

「ケイラーNG」は2人乗りの地雷除去車両で、ロケット推進の「プロファダー」という導爆索を投射・起爆することで、その地雷原のなかに車両や人員が通れる安全な通路を迅速かつ簡便に作ることが可能です。

ラインメタルによると、デモンストレーションではわずか数分で長さ160m、幅9mの突破口を地雷原に作ったとのこと。また、同車は車体前面に排土板を装備することも可能で、これにより地雷除去だけでなく、対戦車障害物の除去、塹壕の埋め立て、さらに陣地などの作成も行えるそうです。なお、自己防衛能力としては遠隔操作型の機関銃システムである「ナッター12.7」を搭載しています。

車体はドイツ陸軍で既に運用されている「コディアック」装甲工兵車と同様に、ドイツの主力戦車である「レオパルト2」のものを流用しています。そのため最高速度65km/hを発揮することが可能で、戦車に追従可能な高い機動性も誇ります。さらにレオパルト2の保有国では、操縦系統が同じため操縦者の育成が容易なほか、パーツの互換性もあるため、相互運用性の高い車両となっています。

今回のデモンストレーションは8月14日にベルゲン軍事訓練場で行われており、国軍や調達当局のほか、内外の軍需産業界から合わせて約100名の招待客が参加しています。また同車は、6月にフランスで行われた「ユーロサトリ2024」で、すでに一般公開されていますが、動く状態が披露されるのはこのデモンストレーションが初になったそうです。

ラインメタルが開発した最新工兵車両「ケイラーNG」(画像:ラインメタル)。