2024年9月16日、韓国・YTNは「日帝時代(日本植民地時代)に関する不適切な記述、理念中心の歴史的定義をめぐり反発が相次ぐなど、今年も歴史の教科書の『偏向性』が論争の的となっている」と伝えた。
報道によると、韓国の民族問題研究所は先ごろ、一部の歴史教科書について「年度や団体名など基礎的な事実関係に関するミスをはじめ、全338件の問題が確認された」と明らかにした。旧日本軍慰安婦の記述が1行しかない、李承晩(イ・スンマン)政権を「独裁」とせず「政権延長」と表現するにとどまる、麗水・順天事件を「反乱」と記述している、といった点が問題視されており、光州広域市、全羅南道、済州道議会も修正を要求している。研究所は「日本の教科書と全く変わらない歴史観を生徒に強要している。この教科書で勉強したら知らないうちに親日の歴史観を持つようになり、大変なことになる」と強く批判したという。
一方、李周浩(イ・ジュホ)副総理兼教育部長官は「歴史教育の多様性を尊重する検定制度の趣旨を考慮し、検定に合格した他の教科書と共に、総合的かつ均衡的に確認する必要がある」との考えを示している。各高校の教科書採択は来月末までとなっている。
報道は「政権が変わるたびに歴史教科書の理念論争が発生していることが問題だ」と指摘している。朴槿恵(パク・クネ)政権では教学社の歴史教科書が「右偏向」だと指摘され、採択した高校は2校にとどまった。文在寅(ムン・ジェイン)政権では、反対に「左偏向」「親北」が指摘された。
国が教科書を指定する国定教科書に戻るか、教科書検定の基準を上げるかといった議論も行われてきたが、根本的な解決には至っておらず、専門家は「検定基準を補強し、課程上、必要な情報と間違った情報をより分けられる装置を置くことが急がれる」とコメントしている。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権ほどの親日政権は今までにない。そこのところをきちんと報じてもらいたい」「子どもたちに親日思想を注入しようとする教育部と尹政権。放置していたら大変なことになる」「政権が変わるたびに、とかじゃなくて、現政権が親日売国奴というだけ」「親日政権になるたびに、自分たちの売国奴祖先を美化しようとし、民主勢力や国民の抵抗と衝突してきた。尹錫悦政権はその中でも最も悪質だ」など、政権批判のコメントが殺到している。
一方で、「国民は誰の言葉を信じればいいのか混乱するばかりだ。歴史に芯がない」「ふらふら言うことの変わる教育を受けて育つ子どもたちがかわいそうだ」「左翼右翼が共存するなかで政府が樹立され、主体(チュチェ)思想も生きているのだから、こうなるのも無理はない。こうした歴史論争は今後も永遠に続くだろう」といった声も見られた。(翻訳・編集/麻江)
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