俳優の斎藤工が出演する中京テレビ日本テレビ系ドキュメントバラエティ番組『こどもディレクター ~私にしか撮れない家族のハナシ~』(毎週水曜23:59~)が、10月2日の放送からリニューアル。タイトルも『こどもディレクター ~これだけはどうしても聞いておきたい~』に刷新する。

これまでは、「親に聞きたいけど、今まで聞けなかった…」という「こども」たちにカメラを渡し、「ディレクター」としてその家族を取材してもらってきたが、10月から「親子だけのドラマ」から「様々な人生の聞けずじまいのドラマ」へ拡大する。

コメントは、以下の通り。
○■斎藤工

――この半年間を振り返って…この番組はどのようなものだと思いますか?

こどもディレクターの方たちのアングルがすごくリアルで。見せるためのアングルというよりは、聞きたいことに向かう緊張感みたいな心情が、カメラのアングルにすべて出ている。完成度を目指すことが正解ではない番組だと思っています。
喜怒哀楽やドラマを演出して作りすぎてしまうのではなくて、この番組の意味合いは、不透明な旅を1作品ごとにしていくところにあるんだと思います。
多分、この物語は当事者の中だけに収まってたんじゃないか?それはもしかしたら(聞かないまま)あの世に持ってっちゃうかもしれないですからね。

――リニューアルした番組はどのようなものになると思いますか?

リニューアル以降は、さらに基本の文法みたいなものがない世界になっていると思います。
家族だとどうしても、想像されるドラマと見ている人の家族の物語ってつながってくるところがある。
血縁関係を超えた人間関係っていうものが世界にあふれていると思うので、そういったドラマをこれから見られるのではないかと期待しています。
家族にとらわれずに、見ている人たちが「あれ、これ自分聞けるかも?」って何かの動機になってくれたらいいですね。

――リニューアルして、番組で見てみたいことはありますか?

(家族の話が)重いわけじゃないですけど後ろ向きおじさん(※)のような、各地方に広がる都市伝説的な話が、もしかしたらエンタメに昇華するのではないかという新たな可能性を感じました。

この機会がなかったら“後ろ向きおじさん”のままだったと思うんですけど、実際に話を聞いてみたら、その男性が、“後ろ向きおじさん”から“家族が好きな人”に印象が変わった。解明しないことに価値もあるとは思うのですが。ライトな話からも、楽しい番組が生まれるのではないかなと思います。

(※)…リニューアル初回、10月2日放送、#25の放送内容。高校時代、学校の近くをほぼ毎日後ろ向きに歩く男性に再び会って理由を聞きたい、という話
○■企画・演出 北山流川氏

――この番組は10 月からどのように変わりますか?

家族以外の物語が増えるので、より皆さんの中で共感性の高いものになったり、見やすいパッケージになっていくのではないかと思います。
でも本質は変わらないです。ずっと聞けずじまいになっていることや、聞いた方が良かったなと思う後悔みたいなものを、その人自身がディレクターとして撮りにいき、その問題と向き合うということは変わらないので、番組が変わるというよりは、パワーアップするというイメージでしょうか。

――今回、なぜそのように変わるのでしょう?

斎藤さんが収録の際に「聞けずじまいのドラマが、まだたくさんあるかもしれない」という言葉をおっしゃっていて。その時に「もしかしたら気になるけれど聞けなかったことって、家族以外にも多いんじゃないかな」と思いました。例えば学校の先生や喧嘩別れした友達、ちょっと街で見かけた気になる人など…。
この半年間で、カメラを渡すことの力をものすごく感じたので、家族の枠を外すことで、もっと「聞けずじまいだった世の中のドラマ」っていうのが明らかになってくるんじゃないかなっていう。
根本は、僕ら、みんな人生に何かしら「ドラマよりドラマがある」とずっと思っていて。それをもっと可視化できたら、と思いました。

――“ドラマよりもドラマがある”というと?

この番組は、ドラマのようにシーンが作りこまれていないものだからこそ臨場感が出る、いわゆる“セルフドキュメンタリーの究極系”かなと思っています。
例えば名古屋の戦争について聞いた回では、教科書に載ってないような、一人の感情にフォーカスした戦争のお話でした。
あとは、こどもディレクターの皆さんの言葉に力があるというのか。台本で書けないセリフが多いと思います。その人の心情に寄り添って考えても考えつかないような言い回しや間みたいなものが毎回生まれてくるというのは、こどもディレクターの方たちが正面で取材と向き合ってるからだと思うので、そこにはドラマを超えた言葉と気持ちが毎回映っていると思います。

――北山さんが伝えたいことを、どうぞ。

もう、とにかく「見ていただきたい」。そして、見ていただいて感じることを聞かせていただきたいし、もっと人に勧めたくなるような番組にしたいと思います。
そしてカメラがなくても、何かを聞きたくなるきっかけになればいいと思っています。
30分で完結するリアルな“本当のドキュメント”を毎週作っていくので、楽しみにしていただいて、いろんな喜怒哀楽の感情をテレビから感じていただきたいです。
また、勇気を持ったこどもディレクターの方の取材あっての、この番組。
引き続き温かく見守っていただけたら嬉しいです。

【編集部MEMO】
監修は引き続き、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』などで知られる元テレビ東京の上出遼平氏が担当する。

(C)CTV
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