清濁併せもつ難役で福原遥が清純派イメージから脱却。松本優作×藤井道人によるオリジナル連続ドラマ『透明なわたしたち』で新境地を開拓中だ。
【映像】ホテルから出てきた不倫モデルを激写…ゴシップ記者を再現する福原遥
本ドラマは、過去と現在のそれぞれの事件が繋がり、衝撃的“真実”が明らかになっていく群像サスペンス。2024年の渋谷で起きた凶悪事件を引き金に、週刊誌記者の主人公・中川碧(福原遥)は、事件の犯人が高校の同級生ではないかと疑う。疎遠になっていたかつての仲間たちと再会し、高校時代のある事件を回想しながら真相に近づいていく。
福原が演じるのは、不倫ゴシップをスクープする記者の中川碧。学生時代は新聞記者として硬派な報道マンを目指していたが、実際は不倫芸能人を尾行して突撃する週刊誌記者としての日々を送っている。自らの仕事に疑問を抱きながらも、東京で生きていくためには働かざるを得ない。そんなジレンマと戦っている役どころだ。
第1話からメンタルを削るシーンが連発。ホテルから出てきた不倫モデルを追いかけ、碧は「やめてください!」と拒む相手にお構いなしに至近距離から写真撮影。「お二人は不倫関係にありますよね?認めたと解釈してもよろしいですか?」とズバズバと質問する。その反面、不倫モデルから悲しい眼差しを浴びせられると心がズキッと痛む。
編集部では上司にプチセクハラされても文句を言わず、後輩女子からは「大人ですよねえ。上手く生きているっていうか。学生の頃からずっと真面目そう」と言われる始末。高校の新聞部時代に毛嫌いしていたゴシップ記者そのものに成り下がっている自分を軽蔑しながらも、碧は今の自分を否定しきれない。
これまで清純派イメージのあった福原が、社会で揉まれる大人特有のリアリティを体現。理想と現実の狭間で揺れる碧の姿に共感を寄せる社会人も多いだろうし『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』を知る世代ならば、時の流れと福原の成長を如実に感じるだろう。
清濁併せもつ難役に対して福原は当初「向き合い方が難しく不安があった」というが、監督からの「碧は純粋な真っ直ぐな子だけではない」という指摘に合点がいったという。福原の中にあった不安という手探り感が碧の揺れ動く心とリンクした面もあるかもしれないが、監督からの短いアドバイスを的確にキャッチしてアウトプットできる福原の勘の良さも吉と出た。
第2話以降、碧は渋谷で起こった凶悪事件の真相を独自に追う。事件に肉薄していく中で、過去の思い出に心を締め付けられる局面も出てくるかもしれない。福原は碧が直面する衝撃をどのように表現していくのか。いまだかつてない幅を見せる福原の表現力に期待は膨らむばかりだ。
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