一方で、あまりの量の多さや、お店の雰囲気、独特の注文ルールがあることから、初心者が一人で行くのはちょっと怖い……というイメージがあるのも事実。
◆約700軒の二郎系を食べたYouTuber
ラーメン二郎を全店制覇し、これまで約700軒にのぼる二郎インスパイア系ラーメンをトッピング“マシマシ”にして食い続けてきた人気YouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」の企画・編集・出演を務めている、お笑い芸人のアカボシさん(@urawa_seijin)。
先日公開した2本のインタビュー記事『二郎系ラーメンを食べ続けて7年。臓器を全摘した今でも「週3ラーメン生活」を続けられるワケ』、『二郎系ラーメン700軒食べたYouTuberに聞いた「今までで1番美味しかった直系」と「口に合わなかったお店」』は大きな反響になりました。
インタビュー記事内で、アカボシさんは、初心者が初めてラーメン二郎に行くときの心構えとして「行ったことがある人と一緒に行くのが一番ですね」と語っていました。そこで今回は、二郎初心者向けのポイントについて、ほぼ二郎初心者の筆者が、アカボシさんと一緒に食べに行って色々聞いてみました。
◆アカボシさんと吉祥寺の二郎系に
昼時13時半のJR吉祥寺駅。平日でサラリーマンや若者たちがごった返す改札でアカボシさんと合流。この日は気温35度を越える猛暑日でしたが、目指すはインスパイア系の「成蹊前ラーメン」です。ちなみに、普段のアカボシさんは一緒に二郎を食べに行くことは原則やっていないそうですが、今回は特別に撮影に同行させてもらいました(気になる人は本人に連絡を)。
吉祥寺駅の北口を出たら、目の前にあるアーケード商店街のサンロードに入ります。商店街の出口までまっすぐ進んだら、その先の信号を渡り、五日市街道を西(左)に進みます。15分ほど歩くと、成蹊前ラーメンに到着しました!
その名の通り、成蹊大学の横にあるラーメン屋さんで、店内に入る前から麺を茹でる蒸気と、豚入りスープの美味しそうなニオイが漂ってきます。
◆お店に来る前に画像検索を
この日は行列がゼロだったため、入り口の券売機で食券を買って、すぐに店内に。「僕は大ラーメンにします。ここは麺量が書いてあるので、初めての人でもわかりやすいと思います」(アカボシさん)。
初めての人ならミニラーメンがおススメとのことでしたが、個人的に100グラムだと足りない気がしたので、200グラムの中ラーメンを選択。さらに、オススメのトッピングの小ブタ1枚、ハイジの焼きチーズ(炙りチーズモッツアレラ)も注文しました。
「お店に来る前に、グーグルで『店名+券売機』で画像検索するとかして、絶対にそのお店のメニューを調べておいてください。特にラーメン二郎はめっちゃ並ぶので、いざ券売機を目の前にしたとき、後ろのお客のプレッシャーで焦ってメニューを間違えて注文してしまうのがよくあるんです。できたら同時に自分が頼もうと思っているメニューと同じ画像を検索して、ヤサイの盛りとか、ブタの大きさをチェックしたほうがいいでしょう」
そのうえで、アカボシさんは「ほとんどのインスパイア系のお店は、私がYouTubeチャンネルに動画を上げていますので、それを見ていただいてもいいかもしれません(笑)」とも。
◆初心者のコールは「そのままで」
食券を店員さんに渡したあと、入り口付近にあったレンゲとお水を自分で配膳します。ラーメンを待つ間、気になるのは「呪文」とも呼ばれるコールの恐ろしさ。ラーメンが提供される前に、自分のお好みを伝える場面なのですが、注意点をアカボシさんに聞いてみました。
「まず、原則、コールできるものはヤサイ、ニンニク、アブラ、それからカラメがあります。カラメはカエシというお醤油のちょっと強い調味料のことです。初めての人は『ニンニク入れますか?』と聞かれたら『そのままで』と言ってください。店員さんの呼びかけを聞き逃さないように待って、それだけを答えれば大丈夫です」
さらに「そこから先はラーメン二郎とインスパイア系で異なります」と前置きしつつ、こう答えてくれました。
「ラーメン二郎の場合は、『そのままで』と言うとデフォルトの量でラーメンを受け取ることができます。アブラやカエシが追加されていなくて、ヤサイが少しのっているラーメンです。一方、インスパイア系は基本的に二郎と変わらないですが、お店によっては『そのままで』だと、アブラやニンニクがすべてデフォルトで入ることもあります」
◆大げさではなく最後までしっかり美味しかった
そんなことを話していると、いよいよラーメン提供の場面がきました。「ニンニクどうしますか?」と聞かれ、筆者は「ヤサイ、ニンニク、トウガラシ、アブラ、あぶりブタ」をコールしました。さらにXフォロワー限定のトッピングとして「海苔」を追加しました。
成蹊前ラーメンでは、ヤサイやニンニク以外に「トウガラシ」、「あぶりブタ」といった独自のコールがありました。またXのフォロワー限定のトッピングも3種あり、今回はそのなかから「海苔」をセレクトしました。
中ラーメンは200グラムと、かなり量が多く、そして分厚いブタがどーんとのっていました。スープがなみなみに注がれて、アシスタントさんが両手でしっかりどんぶりを持って提供してくれました。
「インスパイア系は店内をよく見回すと、貼り紙や注意書きがされていることが多いです。着席して携帯をいじるのではなく、注意書きをよく読んでから、お好みをコールしてください。もうひとつ、お店によっては『ヤサイ』のコールが、他店舗の『ヤサイマシ』に相当するところもあるんです。初めて行く方はやらないと思いますが、『ヤサイマシマシ』を頼んだら、『ヤサイトリプル』の超大盛が出てくることもあります。マシの量が写真で説明されているお店もあるのでよく見まわしてください」
なかなか量は多かったですが、大げさではなく最後までしっかり美味しくて、また食べにきたいと思わせる味でした。コールも優しく聞いてもらえるので、これなら初心者でも問題なく注文できるでしょうね。
◆「小より少ない量があるなら、そちらを」
ちなみに、この日はお店が混んでいなかったのでアカボシさんが食べるところを最後まで見させてもらいましたが、山盛りのラーメンを見事完食していました。その模様はアカボシさんのYouTubeでぜひチェックしてみてください。
最後にアカボシさんに、注文時の注意点を改めて聞いてみました。
「最近の時代のニーズに合わせて『少なめ』『半分』という注文ができたり、券売機で200グラムや150グラムが表示されているお店も出てきているので、自信がない人や初心者はそれを買うのもいいと思います。初めて二郎に行くときは、スピードで食べなきゃいけなかったり、アブラがズドンと胃袋に溜まったりします。なので、小より少ない量があるなら、そちらを買ってもいいかもしれません」
そして、回数は少ないものの「食べ慣れてない方と一緒に行ったりしたことはあります」と語ります。
「DMとかで依頼が来て、『ちょっとこのお店行ってみたいんですが、同行してもらってもいいですか?』で一緒に行ったことはあります。そんな時はこのグラム数が多いか少ないかというのを確認したりして、その方が無事に完食できるようにお手伝いさせてもらいます。最近は男性でも少食の方が増えてるので、もし気になるようでしたら、気兼ねなく相談してほしいですね」
<TEXT/シルバー井荻>
【アカボシ】
1987年埼玉県生まれ。吉本興業所属のお笑い芸人。2016年からYouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」で二郎(系)ラーメンの食べ歩き動画を投稿している。X:@urawa_seijin 、Instagram:@akaboshi_mashimashi 、TikTok:@akaboshi_tiktok 、YouTube:「アカボシマシマシTV」
【シルバー井荻】
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
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