米ウィスコンシン州で先月25日夜、3歳男児が一人で自宅を出て、そばにあった広大なトウモロコシ畑に足を踏み入れてしまった。東京ドーム8個分以上に相当する広いトウモロコシ畑から男児を捜し出すのは困難だったが、熱探知カメラを搭載したドローンを駆使すると、見事に男児を発見することができた。米ニュースメディア『WBAY』などが伝えた。
米ウィスコンシン州フォン・デュ・ラク郡保安官事務所は先月25日午後8時49分、「3歳の息子が行方不明になった」という通報を受け、同郡アルトにある民家へ急行した。
両親の話によると、目を離していた隙に3歳の息子が家を抜け出し、そばにあるトウモロコシ畑に歩いて行ってしまった。トウモロコシ畑は100エーカー以上の広さがあると言い、東京ドーム8個分以上に相当する広大な畑だった。この広さに加え、トウモロコシは6フィート(約1.8メートル)もの高さがあったこと、日が沈んで周囲が暗くなっていたことから、目視で捜し出すのは不可能に近かった。
夜が明けるのを待つわけにもいかず、保安官や地元の消防隊が捜索を開始するとともに、熱探知カメラを搭載したドローンも使って男児の捜索が行われた。
当時のドローンの映像が公開されており、ゆっくりと飛行するドローンは、画面いっぱいに広がるトウモロコシ畑を映している。カメラの角度を微調整しながら慎重に探していたところ、午後9時半を回った頃に、小さな白い影をカメラが捉えた。行方不明になっていた男児の影だった。
カメラは画面中央に男児の白い影を捉えると、周囲の景色を見渡し、おおよその位置を確認している。その後、地上の保安官らが男児の居場所に到着するまでの間、男児を見失わないよう、ドローンが男児の姿を見守っていた。
映像には、自分より背の高いトウモロコシをかき分けて移動する男児の姿が映っている。しばらくすると、最寄りの道路に車が停車し、地上で捜索活動を行っていた保安官と消防隊員の3人がトウモロコシ畑に入り、男児のもとへ向かった。午後9時46分に男児を発見した保安官らは、男児を抱いて来た道を戻り、無事にトウモロコシ畑から脱出することができた。
男児が行方不明になってから約2時間ほど経過していたが、幸いにもケガはなく、無事に両親のもとへ送り届けられた。
Facebookでドローンの映像をシェアしたフォン・デュ・ラク郡保安官事務所は、「熱探知カメラを搭載したドローンがなければ、保安官や駆け付けた人々は、何時間もかけてトウモロコシ畑の全体を捜索することになっていたでしょうし、違う結果になっていたかもしれません」というコメントとともに、詳細を記載した。
この動画を見た人々からは、「ドローンが無かったら、捜すのにどれだけの時間がかかったんだろう」「男の子が無事で本当によかった」「まるで映画を見ているみたいにどきどきしちゃった」「私も幼い時にトウモロコシ畑で迷子になったことがあるけど、かなり怖いよ」などの声が寄せられた。
ちなみに2022年1月にはイギリスにて、沼地に入ってしまった犬を救出するため、ドローンに焼き立てソーセージをぶら下げて誘導したというケースが発生していた。救助者は「クレイジーなアイディアだった」と話しているが、犬は無事に保護された。
画像は『Fond du Lac County Sheriff’s Office Facebook「**Press Release**」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
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