左翼メディアご用達のジャーナリストとして知られる、青木理氏。元共同通信記者で、現在はリベラルな高齢者が好む日曜朝の番組「サンデーモーニング」(TBS系)でコメンテーターを務める。

 毎日新聞は2021年、10年間レギュラーコメンテーターを務めた「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)を降板した際に特集し、「嫌韓・ヘイトに抵抗した青木理さん」と持ち上げる記事を出した。

 毎日新聞記者が「穏やかな語り口で『モノ申す』姿勢が印象に残る」と書いた青木氏だが、動画投稿サイトYouTube番組では別の顔があるようだ。

 9月14日配信の番組で、ジャーナリストの津田大介氏と対談した際、津田氏が「人々はなぜ自民党に入れ続けるのか」をテーマに、広島市に講演に行くことを明かすと、次のようなやりとりが展開された。

青木「すごいね、よくこんなテーマで。ひと言で終わりそうじゃない」

津田「なんですか」

青木「え、劣等民族だから」

 2人は笑い合い、そこには穏やかな語り口もない。

 この発言に珍しく、リベラルから批判が飛んだ。立憲民主党米山隆一衆院議員は9月16日、Xで次のように綴っている。

〈「劣等民族」などと言う考え方は何であれ極めて差別的で、決してリベラルなありようではありません〉

〈本来のリベラルは、自分の民族に対しても「劣等民族」なんて言葉を使いません〉

〈「劣等民族」なんていう人は、一体全体自分は何なのか、いくら自分を含む多数派相手とはいえ、それはあまりに差別的だと思わないものなのか〉

「優性民族」と「劣等民族」を分けたのはヒトラーだったが、多様性を強調していたはずの青木氏も、根底には同じ発想があったということか。TBSなどの対応が注目される。

(喜多長夫/政治ジャーナリスト)