2024年9月15日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、伝統的な茶文化で知られる中国が今や「コーヒー大国」になりつつあるとする記事を掲載した。

記事は、中国がここ数年世界で最も急成長しているコーヒー消費市場になっており、先日北京で開催された「中国コーヒーショー」には多くのコーヒー愛好家が足を運んだと紹介。かつては業界向けの専門的な展示会だったイベントが、今では一般客の来場者もますます多く訪れるようになったとし、来場者からは「自分で入れたコーヒーを飲むと、特にリラックスできる」「もともとコーヒーに強い興味があり、好奇心に駆られてやって来た。いつもはスターバックスより安いラッキンコーヒーを利用している」といった声が聞かれたことを伝えた。

そして、ラッキンコーヒーは国内に約2万店舗を展開する、中国発でかつ中国最大のコーヒーチェーンに成長したと紹介。低価格戦略によって勢力を伸ばし、今年の売上高ではカフェ市場のリーディングカンパニーであるスターバックスをすでに追い抜いているとした。

また、中国人のコーヒー消費量は年間平均11杯と、欧米の消費水準に比べて遥かに少ないのが現状であり、14億人の人口を抱える中国コーヒー市場の潜在性は計り知れないと指摘。それゆえに競争も非常に激しくなっており、市場をリードするラッキンコーヒーとスターバックスに加え、コッティコーヒーや上海発のマナーコーヒーも急速に勢力を拡大していると伝えた。

記事は、コーヒーブームによって中国国内のコーヒー栽培も注目度を増していると紹介。中国では温帯気候の雲南省を中心に30年以上コーヒー栽培が行われながら、現状の生産量は世界全体の100分の1程度にとどまっているとした。そして、同省で父親のコーヒー栽培を受け継いだ女性が「父の世代はコーヒーを栽培すれど自分で飲むことはなく、豆の加工方法や良質な品種について誰も知らなかった」と明かしつつ、今や状況が根本的に変化してスペシャルティコーヒーが栽培されるようになり、雲南コーヒーの知名度がますます高まっているとし、未来の経営について「大きな自信を持っています」と語ったことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)