2024年9月18日、韓国メディア・韓国日報は「韓国を代表する伝統料理の一つである石焼きビビンバの調理技術が3年前に中国の省級無形文化遺産に指定されていた事実が確認された」と伝えた。
記事によると、中国の吉林省政府は21年12月、公式ウェブサイトで第5回省級無形文化遺産計65項目を発表し、石焼きビビンバの調理技術を地域の無形文化遺産リストに含めた。
韓国の無形遺産の保全を担当する国会遺産庁の関係者は「中国の国家級無形遺産のうち韓国の伝統文化と類似した項目はある程度把握してきたが、石焼きビビンバは地方級遺産のため登録の事実を全く知らなかった」とし、石焼きビビンバについて「韓国の国家無形遺産には指定されておらず、指定する計画もない」「全羅北道の無形遺産として全州ビビンバは08年に指定されている」などと説明した。
韓国文化体育観光部の韓国文化院連合会が作成した「韓食文化辞典」で、石焼きビビンバと全州ビビンバははっきり区別されている。石焼きビビンバは「石鍋にご飯を入れ、数種類のナムルと細かく刻んで炒めた牛肉、コチュジャンなどを乗せて温めて提供するビビンバ」で、石鍋は「百済時代から貴族らが愛用してきた器の種類」と説明されている。一方、全州ビビンバは「全羅北道全州の人たちが作って食べるビビンバで、豆もやしビビンバともいう。19世紀末の東学農民抗争に由来しているとの説がある」と説明されているという。
中国の石焼きビビンバチェーン店「米村」は、吉林省無形文化遺産への指定を広報手段として使っている。中国・湖北省武漢市の韓国人駐在員は先月、市内の商店街に貼られた米村の広告に「朝鮮族の石焼きビビンバ製造技術は吉林省の無形文化遺産」と書かれているのを発見し、「石焼きビビンバが朝鮮族のもので吉林省の無形文化遺産なら、在米韓国人が作る韓国料理は米国の地域文化遺産に登録しても良いということになる」と驚きを示したという。
石焼ビビンバ
さらに、この広告に使われた石焼きビビンバの写真は中央に目玉焼きが載っているが、これは韓国国内の一般的な石焼きビビンバの特徴であり、韓国南部地域から始まって韓国全土に拡散したものだという。東北アジア歴史財団のク・ドヨン研究委員は「歴史的なつながりから考えて朝鮮族はこのような形態の食文化を有していない」とし、「(米村は)朝鮮族の文化ではなく、21世紀の韓国の文化を販売している。明らかに問題を提起できる部分だ」と指摘した。
記事は「中国政府が11年に制定した無形文化遺産法により各地方政府は省級無形文化遺産の国家級無形文化遺産への昇格を中央政府に申請することができる」とし、「韓国の伝統文化についても、中国政府が中国内の少数民族から始まったとの趣旨で地方政府レベルを超えて国家文化遺産にまで引き上げて指定したケースも多い」と指摘。韓国の専門家からは「韓国の伝統文化コンテンツの中国化の動きを阻止するため、戦略的に対応する必要がある」と警鐘を鳴らす声が上がっているという。
これを見た韓国のネットユーザーからは「なぜ他国の文化を盗もうとする?。そんなに自分たちの文化に自信がないのか?」「ビビンバの食べ方も分からないくせに」「ビビンバを中国料理と考える中国人はいないと思うけど?」「石焼きビビンバは1956年に誕生した大韓民国の文化。朝鮮族との関連は1ミリもない」「その考え方でいくと、韓国にはチャイナタウンが多いから、チャイナタウンの文化も全て韓国のものだ」「そうやって根拠を作って一つずつ自分のものにしていく中国。韓国の議員は何をしているのか」「中国も中国だけど、韓国政府は本当に何も知らないよね」などの声が上がっている。(翻訳・編集/堂本)
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