今夏、パリ五輪に出場したサッカー男子のU-23日本代表。グループステージを3戦全勝&無失点で乗り切り、56年ぶりとなるメダル獲得への期待が高まった。
ただベスト4入りをかけた準々決勝のスペイン戦では0-3で敗戦。細谷真大(現柏レイソル)のゴールがVARで取り消される不運はあったものの、東京五輪に続いて2大会連続同じ相手に苦杯を舐めることとなった。
この一戦については全ての失点がセットプレーやロングシュートによるもの。結果的には0-3となったが「点差ほどの差はなかった」という論調もある。
『テレビ静岡』で放送(YouTubeでも配信)されている討論番組「#サカろう」ではそれがテーマとなった。17日公開分から抜粋する。
元日本代表DF森岡隆三氏は、「チームとしてはそれほどの差はなかった」としつつ「スペインはしたたかで。個人云々ではなく勝ってる時の戦い方がめちゃくちゃ上手。そこは認めざるを得ない」と分析した。
一方、スポーツジャーナリストのミムラユウスケ氏は「僕は逆にけっこうな差を感じた。プランBがなかった」と主張。
日本は2022年ワールドカップでもスペインと対戦し、2-1で逆転勝利している。ミムラ氏はその時を引き合いに「あの時との違いが何かと考えた時に、一つは(初戦の)ドイツ戦で成功体験があった。もう一つは選手たちの経験値」と話す。
「ワールドカップのスペイン戦も、後半開始から『前に行け』という指示はないんだけど伊東選手行った、堂安選手行った、前田選手行ったってみんなが状況を考えながら行ってて。経験値がすごく大きかったんじゃないかと」
そしてミムラ氏は、パリ五輪における日本とスペインの経験の差を裏付ける一つのデータを提示する。
▼先発11人の5大リーグでの出場数
日本 0試合
スペイン 546試合
▼先発11人のCLでの出場数
日本 0試合
スペイン 50試合
こちらは先発した11選手の5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)とUEFAチャンピオンズリーグにおける出場数。
5大リーグでは日本が0試合なのに対し、スペインが546試合。CLでは日本がやはり0試合なのに対し、スペインは50試合だった。これは圧倒的…。
ミムラ氏は、ワールドカップでは成功体験や選手たちの経験値が必然的にプランBを持たせたとする一方、五輪のU-23日本代表にはその両方がなかったという。
「(スペインは)一人平均50試合ほど。思い通りにいったときはいいんだけどサッカーにはいかない時もある。その経験値の差が出た」と話していた。
スペインは自国が5大リーグの一つに数えられるため当然といえば当然かもしれない。ただ改めてこうして数字をみると厳しい現実を突きつけられたような感覚になる。
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