南米コロンビア北部アトランティコ県の県都バランキージャで12日、19歳の妊婦がバスから転落し、重傷を負った。後方を走っていた車の車載カメラが事故の様子を捉えており、バス後方のドアが開いていたことが明らかになった。コロンビアのニュースメディア『RCN Radio』などが報じた。
12日午前11時50分過ぎ、ジョージナ・メンドーサ・モンティエルさん(Georgina Mendoza Montiel、19)が「クーリトラル(Coolitoral)」が運行する公共バスから転落した。
車載カメラが捉えた映像では、バスがカーブを曲がる際、ジョージナさんが後方ドアの階段を後ろ向きのまま降りようとしていたように見え、そのまま体勢を崩して転げ落ちた。
ジョージナさんは道路に頭を激しく叩きつけられ、うつ伏せのまま意識を失い、地元のクリニックに搬送された。しかし容体は非常に重く、「アデリータ・デ・シャル病院(Adelita de Char Hospital)」に運ばれた。
ジョージナさんは妊娠28週で、医師はお腹の子を救うため緊急帝王切開手術を実施したが、誕生した女児は14日、新生児集中治療室に入院中に死亡が確認された。一方のジョージナさんは、今も集中治療室に入院中で危険な状態が続いている。
バランキージャのニュースメディア『El Heraldo』では、ジョージナさんがアトランティコ県に引っ越してきたばかりで、バランキージャ北部のラス・フローレス近辺に住んでいたことを伝えている。また、事故が起きた日は、生まれてくる赤ちゃんのための買い物をしに市内中心部に向かっていた。
バスの運転手は当時、後部ドアを開けたままで走行していたことを認識しており、「乗客の1人が『停止して欲しい』と求めたことからブレーキをかけた」と証言した。そして、後部ドア近くに立っていたジョージナさんがバランスを崩し、バスから転落した。
なお、運転手は事故後、飲酒検査を受けたものの結果は陰性だった。当局は後部ドアが開いていたことが事故の一因とみており、現在は検察が事故原因を詳しく調査している。
事故の映像が各メディアで公開されると、「これは怖い」「この辺りではバス内の換気のためにドアを開けていることは日常茶飯事。ただこれには危険が伴う」「暑いからドアを開けているだけ。でも今後は扇風機を導入すべき」「これは文化の問題で、バランキージャでは乗客が降りたいところでバスを停止させ、また望めばどこでもバスに乗ることができる」「なぜ妊婦はあの場所に立っていたの?」「なんという悲劇」「女性の無事を祈る」といったコメントが寄せられた。
ちなみに昨夏にはブラジルで、スクールバスに乗っていた少女が道路脇の柱に頭をぶつけて死亡した。少女は走行中のバスの窓から頭を出し、クラスメートに手を振っていたところ、事故が起きた。
画像は『Chapin TV 「Joven embarazada cae de autobús en movimiento y pierde a su bebé (VIDEO)」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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