オクラホマ州でピックアップトラックの盗難事件が発生した。これだけならまあ、よくある車泥棒ということで、そこまで話題にならなかったかもしれない。

 だがこの事件が他と大きく違っていたのは、捕まった窃盗犯が、これまた別の盗みの件で裁判所に出廷するため急いでいたというもの。指定された時間に遅刻しそうになり、さらに車を盗んだという点だ。

 しかも出廷予定だった公判の罪状は車両窃盗罪。「車を盗んだ裁判に出るために、車を盗んで法廷へ行く」という耳を疑うような事案に、警察も裁判官もビックリだったようだ。

関連記事:犯罪にも準備運動は必要なのか?パン屋に盗みに入る前にヨガをする窃盗犯

公判に間に合わない!被告の男がとった行動とは?

 コーディ・アダムズ(28歳)彼は、2024年9月24日、自分のいるオクラホマ州ペイン郡スティルウォーターから、約50km離れたポーニー郡の裁判所まで行かなければならなかった。

 アダムズが以前犯した車両窃盗事件の公判が開かれ、審問を受けることになっていたからだ。

 だが車を持っていないアダムズは、当日、スティルウォーターガソリンスタンドで、「裁判所まで乗せてほしい」と周囲の車に頼みまくっていたようで、その姿が目撃されていた。

関連記事:何が何やら...強盗している間に強盗の逃走用車が別の強盗に盗まれる

手近にあった車を盗んで裁判所へ向かう

 だが彼の懇願に応じてくれる人はいなかった。

 その時、彼はふと近くに停めているピックアップトラックに気がついた。エンジンはかかったままで、中には誰もいなかった。

 そこでアダムズは当然のようにそのピックアップトラックに乗り込み、裁判所目指して車を走らせたのだ。

 このトラックはライフネットという救急搬送サービスの監督車両だったという。

関連記事:裁判所に出廷した殺人容疑者。拘束具を外された瞬間猛ダッシュで逃げる

 30分ほどのドライブの末、目的の裁判所に到着したアダムズは、乗ってきた車を乗り捨てると裁判所へと入って行った。

 だがどうやらその様子を見ていた警察官が、違和感に気づいたらしい。アダムズは裁判所に入ったところで、身柄を拘束されたという。

 彼は車を「借りた」ことは認めたものの、窃盗の罪は頑として認めようとしなかった。

関連記事:米国で最も盗まれた車種トップ10(2021年度)日本車は6種ランクイン

 それでもアダムズは、予定通り公判に出廷を許された。

 もともとの容疑だった車両の無断使用と刑務所への禁制品の持ち込みの罪で、しっかり起訴されたという。

 さらに今度は裁判所まで拝借した車の窃盗事件の捜査でペイン郡に連行され、そこでも車両窃盗の罪で起訴された。

 しかしこの犯人、車両窃盗の罪で裁かれる裁判に出るために新たな車両窃盗を行うとは、いったいどういう思考回路をしているのだろうか。

 このニュースを見た人たちも同じような感想を抱いたようだ。

関連記事:脱獄から30年、新型コロナの影響でホームレスになった男が「刑務所に戻りたい」と警察に出頭

  • 他人の車を盗んだ裁判のために、裁判所まで車を盗んで行くなんて、なんて大胆なんだ。狂気の沙汰だよ
  • こいつにはモノを考える頭がないのかな
  • 約束を守ることが、彼には何よりも大切だったんだよ。犯罪を犯したとしてもさ
  • 裁判を欠席することの方が恐怖だったんだろうね
  • 確かに約束に遅れるのはダメだよね!
  • 彼は正しいことをひとつしたかっただけなんだ。ただ、間違ったことをしないでそれをやり遂げる方法がわからなかっただけなんだよ
  • 車を盗んだ裁判に車を盗んで出廷か。ぶれないなあ。

 ちなみに保釈金は1万ドルとのこと。彼が娑婆に出て来るのは、もう少し先になりそうだ。 

Man charged after stealing vehicle to make it to court case over another stolen vehicle
Facebookで開く

画像・動画、SNSが見られない場合はこちら