川崎フロンターレは5日、FC町田ゼルビアとのアウェイゲームで4-1の逆転勝利を収めた。

13分に先制点を許したが、三浦颯太のゴールで追いついて迎えた38分、好調のストライカー山田新が逆転弾を決めてみせた。

日本代表GK谷晃生のパスコースを呼んだ脇坂泰斗が、パスカットと同時にスペースへ絶妙のダイレクトパス。これを山田がそのままループシュートし、懸命にカバーに入った日本代表DF望月ヘンリー海輝の頭もわずかに届かずゴールに吸い込まれた。

DAZNで解説を務めていた林陵平氏が、昔やっていたサッカーゲーム「ウイニングイレブン」の“R1ループシュート”を思い出すほどの見事なループ弾。試合後に山田がこの場面を振り返った。

「相手のミスから、ヤスくん(脇坂泰斗)がトラップしてもいいシーンだったと思うんですけど、ダイレクトで自分が何もせず前を向ける強さのボールを置いてくれたので、本当にスムーズにゴールへ向くことができました。キーパーが前へ出ていたので、浮かせば入るなと思って。ちょっと危なかったんですけど、うまく入ってよかったです」

プロでは初めてとなるループでのゴール。GKの頭上を狙う意識について山田は「冷静にキーパーを見れて『出ているな』と思ったらやるときもありますし、練習でもたまにやるので…よかったです」と話しつつ、「狙い通りのところ(に打てた)かは…分からないです(苦笑)。(望月のカバーは)ヒヤヒヤしました」とほっとした表情で答えていた。

山田はこれでシーズン15点目。得点ランキング3位のジャーメイン良に並んだ(トップはレオ・セアラの20ゴール)。

「もちろん20点はいきたいなと思いますし、得点王も狙っています。しっかりあと5試合。(ルヴァンカップやACLも含めると)かなりハードですし、今日も自分的にはコンディション調整があまりうまくいっていなかった気がしました。今年は多くの試合に出て、シーズンを通して戦えていますし、そこのところの経験値も積めているので、コンディションもしっかり合わせながら…試合も連戦になってきますし、得点も取り続けながらやっていけたらいいなと思います」

山田のゴールをアシストした脇坂は、決定的なプレーとなったパスカット兼ラストパスについて、川崎の14番を背負う男らしくこのように語っている。

「杉岡大暉選手を後ろにおいて、センターバックにも出れますし、杉岡選手に浮き玉だったら狙っていました。そういったポジショニングを取れたのがまず良かったです。(谷選手は)多分僕のポジショニングが良くて、速いボールじゃないと通らないと考えたと思うので、まずそこのポジションニングが良かったこと。そして、そこでボールが来た時、止めて安心してしまう選手がほとんどだと思うんですけど、僕だからあそこに(ダイレクトで)刺せたんじゃないかなと思います」

ちなみに、山田のループについては「彼は、ボールをトラップしたらミスしちゃうので、僕がワンタッチで蹴られるようにやってあげたので、あとはもう、何を選択しても入るような…対空時間が長くて焦りましたけど(笑)、嬉しかったです。(パスの段階で決まり?)最大限のアシストはできたかなと(笑)」と茶目っ気たっぷりにコメント。

DFの要となっている佐々木旭に至っては「打った時は、本当に何してるんだあいつって思いました(笑)。でも入ったんで、ああいうこともできるようになったんだって。びっくりです(笑)」と、24歳の成長ぶりをたたえていた。

後半さらに2点を追加した川崎。山田が「前も結果を残しましたし、後ろはしっかりハードワークしてビルドアップも安定させて、本当にみんなで掴んだ勝利かなと思います」と語る快勝により、勝点を43に伸ばして暫定ながら10位に浮上している。

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