大阪市で中国人観光客が刃物で切り付けられた事件をめぐり、中国のSNS上で不満の声が上がっている。
今年7月22日、同市此花区の路上で中国人観光客の男性の腕を刃物で切り付け、「マネー、マネー」などと要求し金銭を奪おうとした強盗傷害などの疑いで、大阪府警は今月8日、住所不定・無職の花大地容疑者(23)を追送検したと発表した。
花容疑者は同月21日に路上で50代の女性に刃物を見せて脅迫したとして、同府警に暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕されており、「仕事をしておらず、生活に困り、強盗を思いついた」と容疑を認めているという。
中国のSNS上では、今年9月に広東省深セン市で発生した日本人男児殺害事件と関連付ける投稿が相次いでおり、あるブロガーは「中国人観光客が日本で切り付けられたが日本大使館は沈黙、謝罪する日本人も、立ち上がる日本人もいない。ビジネス環境が破壊されるのを心配すべきでは?」とつづり、深センの事件後に多くの現地人から謝罪の声が上がったり、「中国への外資参入に影響が出る」との懸念の声が上がったりしていたことを皮肉った。
また、ネットユーザーからは「日本人は反省の意を示さないのか?」「日本大使館は半旗を掲げないのか?」「日本人は(被害者に)花束を送り、『われわれは罪人です』と手紙を書くべきだ」「深センを代表して謝罪していた連中はどこに行った」「日本人だけが人扱いされるらしいな」「日本人のダブスタはひどいものだ」「(深センの事件で続々と謝罪の声が上がったことに)中国にはやはりいい人が多いということだ」といった声が殺到、「ポイントは国内メディアがほぼ沈黙していることだ」「中国メディアはなぜ報じないのか」といった不満の声も上がった。
一方で、「二つの事件が同じだと思うのか?」「明確に強盗目的でヘイト犯罪でないなら、人に与える印象はやはり違う」といった意見も少数ながら見られた。
なお、中国のSNS上ではこのほかにも、かつて森友学園の籠池泰典氏が理事長を務めていた幼稚園で、園児らが「大人の人たちは、日本が他の国々に負けぬよう、尖閣諸島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書でうそを教えないようお願いいたします」などと唱和している映像などを一般の幼稚園のように紹介し、「日本ではヘイト教育が普及している」などと主張する投稿も出てきている。(翻訳・編集/北田)
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