古市憲寿
10日、朝の情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)では、千葉県で発生した強盗致傷事件について報道をしました。

2人組の男が高齢の夫婦の自宅に押し入り怪我をさせた上、現金900万円を奪った今回の事件は、「闇バイト」組織の関与も疑われています。社会学者の古市憲寿さんは「バイトをする側」の心理について疑問を口にしていました。

■千葉県船橋市で発生した強盗事件

9日、千葉県船橋市住宅街で強盗致傷事件が発生。被害者は高齢の夫婦で、80代の夫は何らかのもので体を縛られ、70代の妻は暴行を受けて肋骨を骨折するなど全治1ヵ月以上の重症を負っています。

被害額はおよそ900万円とみられており、9日午前8時57分に、被害者の娘から「(親族が)強盗の犯人と鉢合わせたと連絡があった」と110番通報がありました。

通報者は被害者夫婦とは別の場所に住んでおり、警察によると前日の夜、2人組が玄関の鍵を壊して押し入り、現金を奪って逃走したとのことです。

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■犯行の背景に闇バイトの可能性

事件が起きたとされる夜の時間帯でも、現場周辺は新聞配達やトラックの行き来が多く、人通りの少ない場所ではないそうです。

親族には「強盗のターゲットになった」理由に心当たりはないそうですが、近隣の聞き込みでは地元では有名な地主の家系として知られているという声もありました。

そうした情報を基にした犯行の可能性が考えられ、近隣住民は「この辺は安全だったので、市民としてはびっくりしています」と話しています。

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■首都圏で増える闇バイト強盗

首都圏で相次いでいる「闇バイトで実行役が集められた強盗事件」は、今年8月以降、東京・千葉・埼玉・神奈川で7件発生しています。警察は、今回の事件も闇バイト強盗の可能性も視野に捜査を進めています。

元警部の専門家は「実行犯は素人なのでみんなほとんど捕まっています。やはり実行犯同士は面識がない人ばかりが、闇バイトで雇われている。だから、挙動や役割分担がバラバラで、すぐに捕まります」と述べ、首謀者を追うため警視庁が解析を進めていると解説しています。

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■古市は「割に合わない犯罪」とバッサリ

古市さんは、「強盗って日本では刑罰が重いじゃないですか。とくに強盗致傷までいった場合、非常に重いんですけど。だから本当に犯人側の目線に立つと、本来は割に合わないはずなんですね」と分析。

さらに、「とくに実行犯は切り捨てられる可能性が高くて、強盗って検挙率の高いんですね、9割が検挙されていて。広域犯罪になると警察も本気を出しますから、ほぼ捕まると思った方がいい」「お金がどう分配されるか分からないですけど、だったら普通に働いた方が合理的だと思います」と述べ、能力を正当な仕事に活かすべきだと訴えました。

古市憲寿、闇バイトが疑われる強盗致傷事件に疑問 「割に合わないはず…」