2024年10月11日、韓国・YTNは「韓国人作家ハン・ガンのノーベル文学賞受賞が決定した中、京畿道の小中高校がハン・ガンの『菜食主義者』を有害図書に分類し、廃棄していたことが分かり、物議を醸している」と伝えた。

記事によると、ハン・ガンさんノーベル文学賞受賞が発表された後、韓国のオンライン上では「京畿道の学校図書館が廃棄した本がノーベル文学賞を受賞した。京畿道教育庁の感想が聞きたい」と題する投稿があり、注目を集めた。

投稿者が指摘しているのは、京畿道の小中高校図書館で昨年、「青少年に不適切な性教育図書」との理由でハン・ガンさんの『菜食主義者』を含む2528冊が廃棄されたこと。廃棄された2528冊の中には、「菜食主義者」をはじめ、ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」など性教育とは無関係の書籍も含まれていた。2528冊のうち、刊行物倫理委員会の審議で青少年有害図書に指定された書籍は1種にすぎないという。

これに関して京畿道教育庁側は「一部の団体が学校に分別なく文書を送り、性教育図書の廃棄を求めたもの」とし、「教育庁は学校の現場でどのように管理されているか現況を単純に調査しただけで、廃棄指示を出したつもりはない」と説明した。

京畿道教育庁には現在、ハン・ガンさんの「菜食主義者」を速やかに小中高校図書館に置き、青少年推奨図書に指定するよう求める声が寄せられているという。

一方、この記事を見た韓国のネットユーザーからは「青少年にとっては有害図書と言えるのでは?」「ノーベル賞を受賞したら全国民が読まなければならないの?」「ノーベル賞受賞=正しいと考えるのは危険」「小学生のための本では絶対にない」「映画『パラサイト 半地下の家族』が子ども向けの映画でないのと同じだよ」「私も読んでみて、よく書けているなとは思ったけど、子どもたちには読まないよう言い聞かせてある」「良い小説だけど、子どもが読むべきではない。大人でも読んだ後数日間はつらかった」など、理解を示す声が多数上がっている。(翻訳・編集/堂本)

11日、韓国・YTNは「作家ハン・ガンがノーベル文学賞を受賞した中、京畿道の小中高校がハン・ガンの『菜食主義者』を有害図書に分類していたことが分かり物議を醸している」と伝えた。写真はハン・ガンの小説。