大型ハリケーン「ミルトン」の上陸に備えて避難命令が出されていた米フロリダ州ヒルズボロ郡タンパで9日朝、フロリダ・ハイウェイ・パトロール(FHP)の警察官が、高速道路近くのフェンスの支柱に繋がれていた1頭の犬を発見した。当時の様子はFHPのSNSに投稿されて反響を呼び、犬を置き去りにして避難したとみられる飼い主に対して、怒りの声が相次いだ。米フロリダ州のニュースメディア『WJHG』などが伝えた。
ブル・テリアとみられる犬が捨てられていたのは、州間高速道路75号線(I-75)沿いのフェンス脇で、警察官が到着した時、犬はすでに脚の付け根あたりまで水に浸っていた。
フロリダ・ハイウェイ・パトロール(FHP)がXで公開した動画では、雨が降る中、警察官が路肩に車を停め、緑の湿地帯を歩いてフェンスに近づいていく様子が映っている。犬はカメラが近づくにつれて落ち着きを失い、唸り声をあげて吠え始める。
警戒する犬に対し、警察官は「大丈夫だよ。大丈夫。君のことを責めることはできないよ。責めることはできない。大丈夫。大丈夫」と言いながら、ゆっくりと近づいていく。動画には「どうか、あなたのペットにこんなことをしないで!」というメッセージが添えられており、無事に犬を救助したことが報告された。
なお、この動画が投稿されると大きな反響を呼び、フロリダ州のロン・デサンティス知事はFHPに感謝の意を示すと同時に、飼い主を次のように非難した。
「ハリケーンが上陸間近である中、柱に犬を縛り付けて置き去りにするとは残酷だ。フロリダ州ではペットを虐待する者には責任を負ってもらう。」
また、ほかにもこのようなコメントが多数寄せられた。
「飼い主を探して、この犬と同じように柱に繋いで放置すべき。」
「なんて残酷なの! これは犯罪だ。飼い主を逮捕すべき。」
「真の悪魔だね。なんでこんなことができるのだろう。」
「マイクロチップが装着されているといいけれど。飼い主を動物虐待で起訴すべき。」
「人はここまで無情になれるものなのか。」
「FHP。この犬を救ってくれてありがとう。そうでなければこの子は死んでいたでしょう。」
そして、FHPの最初の投稿から数時間後、フロリダ州幹線道路保安・自動車省(FLHSMV)がXで、「警察官が犬を獣医のもとに連れていき、怪我がないかどうか検査した結果、健康に全く問題がないことが確認された」と報告し、多くの人から安堵と感謝の声が届いた。
ちなみに、今年4月には米カリフォルニア州の交通量の多い通りで1匹の犬が車の中から捨てられた。当時の様子はカメラに撮影されており、犬が困惑して車窓に飛びつき、後を必死で追いかける姿には「心が張り裂けそう」「なんて冷酷な飼い主なんだ」といった声があがっていた。
画像は『FHP Tampa X「FHP Troopers rescued a dog left tied to a pole on I-75 near Bruce B Downs Blvd this morning.」』『FLHSMV X「Update: The dog rescued by @FHPTampa is safe and receiving care.」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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