2024年10月11日、韓国・朝鮮日報は「韓国陸軍の自走砲10両に3両は操縦士不足で有事の運用が困難だと指摘された」と伝えた。

陸軍の資料によると、自走砲操縦士の補職率は22年まで80%台だったが、23年は72.2%に急減した。今年(6月30日基準)も72.9%となっている。人口の崖(Demographic Cliff)と初級幹部の離脱で副士官・将校が不足しているため。戦車(92.7%)、装甲車(93.2%)に比べても、自走砲は補職率が低い。

韓国陸軍で操縦士が必要な自走砲はK9、K55の2種だが、主力は約1100両が編成されているK9だ。最大射距離90キロメートル、毎分9発の砲撃が可能、時速60キロで走行できる機動性を備える。北朝鮮の長射程砲による挑発時に即刻対応することが期待される兵器だが、現在のような補職率では、1100両のうち300両は運用できないことになる。自走砲操縦士は陸軍歩兵学校で2週間の教育を受ける必要があるため、有事にすぐ確保することもできない。

陸軍は「K9、K55自走砲の目標稼働率は過去3年間、いずれも110%以上を達成しており、任務遂行に支障はない」としている。しかし、目標稼働率は可変的なものであり、実際の装備稼働率とは異なると指摘される。この資料の提出を受けた与党「国民の力」のユ・ヨンウォン議員は「初級幹部志願率の減少、少子化に伴う入隊将兵の減少により、装備の実際の稼働率が落ちている状態」だと指摘している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「国が滅亡する前に兵士の給料、軍生活の待遇を見直す必要がある」「国防予算は政府の年間予算の10%にもならない。あと3%増やすだけでも副士官以上の幹部の待遇を改善できる」「よその国は兵士不足で服務期間を延ばしてるし女性も服務する。韓国は逆に服務期間を短縮している。そこが問題でしょ」「服務期間は短いし、副士官は一般兵より待遇が悪いので去ってしまう。何事も人が第一。人がいなければどんなに優れた兵器もただのくず鉄になる」「今は訓練の時によその部隊から人を駆り出して回している。おかげでそっちの部隊には支障が生じ他の部隊員の負担になる。これでいいのか?」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

11日、韓国・朝鮮日報は「韓国陸軍の自走砲10両に3両は操縦士不足で有事の運用が困難だと指摘された」と伝えた。資料写真