毎年、大きな反響を呼ぶ「都道府県魅力度ランキング」。発表を楽しみにしている人も多いだろう。
そのランキングのベースとなる『地域ブランド調査2024』の調査結果が10月13日に発表され、今年も満を持して「都道府県魅力度ランキング2024」をお届けすることとなった。上位争いのみならず最下位争いが話題を呼んでいるこのランキング、注目の順位はどうなったのか。早速その詳細をお届けしよう。
調査を行ったのは、ブランド総合研究所。この調査は、全国1000の市区町村及び47都道府県の計1047地域を調査対象に、全国の消費者3万4813人の有効回答を得て集計したもの(※)。2006年からスタートし、今回が19回目となる(都道府県の調査は2009年から16回目)。
北海道が16年連続の1位
ランキング上位に大きな変動
まずは、ランキング上位の都道府県を見てみよう。
2024年の都道府県で最も魅力度が高かったのは、北海道で70.8点だった。昨年の72.4点からポイントは低下しているが、2009年の都道府県における調査開始以来、16年連続で1位を維持し続けている。
続いて、京都府が16年連続の2位(55.6点)。3位は沖縄県(49.8点)、4位は東京都(48.3点)、5位には昨年7位から順位を上げた神奈川県(42.6点)がランクインした。
茨城県は最下位から脱出できたのか?
一方、2024年元旦に発生した能登半島地震が大きな被害をもたらした石川県は、今回のランキングで昨年の9位から順位を落として10位(33.9点)となってしまったが、点数は33.4点から33.9点に上昇している。
石川県は地震の影響を受けたものの、地域の人々の努力や復興活動が評価され、その魅力度が再認識されてランキング上位に留まった。近年、SNSやメディアを通じて石川県の魅力が広く伝わるようになったことも、ランキングに影響を与えた要因の一つと考えられる。
茨城県は最下位から脱出できたのか?
注目される2024年の順位は
では、下位の都道府県はどうなっているのか。
2024年の最下位となってしまったのは昨年46位の佐賀県(14.9点)だった。46位は埼玉県(15.2点)、45位は昨年最下位の茨城県(16.0点)で2ランクアップする結果となった。
ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「47都道府県の魅力度の平均点は昨年の27.2点から28.0点に上昇している。最下位の佐賀県も13.8点から14.9点に上がっており、特にマイナスの印象は見受けられない。上位の都道府県の点数が全体的に下がっていることから、上位と下位の差が縮まっていると言える」とコメント。
また、魅力度ランキングの集計において重要な要素の一つとなる都道府県の「観光意欲度」では、埼玉県が最下位(28.1点)となり、46位の茨城県とは4.3点の差がついた。茨城県は46位ながら、昨年の28.3点から32.4点へと4.1点も上昇している。
ちなみに、観光意欲度では茨城県が15年連続で最下位だったが、今回の調査で初めて46位に上昇した。
「2023年10月から12月にかけて、『体験王国いばらき割(全国旅行支援)』と題したデスティネーションキャンペーンを実施した。このキャンペーンにより茨城県の観光イメージが向上し、観光意欲度も高まっている」と田中社長。
この変化を裏付ける例として、茨城県は「旅やグルメに関するテレビ番組」の接触度の伸びで全国2位、「デザインやセンスのいい県」のイメージの伸びでは全国1位に輝いた。特に「ひたち海浜公園」が頻繁に取り上げられ、現在のトレンドに合った「インスタ映え」するスポットとして多くの支持を集めている。
2024年は例年よりも順位の変動が大きくなった。今後も、各地域がどのように魅力を発信していくのか、引き続き注目していきたい。
(フリーライター 西嶋治美)
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