新卒初任給を引き上げる企業が増えているが、就活生はどのくらいの給料を求めているのだろうか。

i-plugは10月10日、「希望年収額に関するアンケート」の結果を発表した。調査は、9月上旬にインターネット上で行われ、2026年卒業予定の就活生400名から有効回答が得られた。(文:長田コウ)

「新卒配属1年目に希望する年間の給与額」について、「300~399万円」(40.3%)が最多の回答となった。一方で、日本の平均年収は400万台だが、それを上回る「500万円以上」を希望する学生は、全体の19.3%を占めた。

半数以上の企業が1年目は年収300万円

内定先から提示された給与が希望年収以下だった場合は、辞退するのだろうか。この問いに対しては、「その他条件によっては辞退しない」(84.8%)が最多回答になった。これは、昨年と大きく変わらない結果だ。一方で、「辞退する」と回答した学生は7.8%と少ないが、2年前から比べると年々少しずつ増加している。24卒学生との比較では、2倍以上のポイント増加で、年収重視の学生が増えていることは、間違いなさそうだ。

ではその他の条件とは、一体何を求めているのだろうか。最多回答は、「福利厚生が充実している」(73.7%)。次いで、「業務内容」(62.2%)、「同僚や先輩など社員の人柄が自分と合う」(51.3%)と続いた。

必ずしも、希望年収と実際の年収が合致するわけではない。希望金額との差に関して許容範囲を聞くと、「50万円以内」(50.8%)が最多回答となった。次いで、「51万~100万円」(36.8%)、「101万~200万円」(10.3%)という結果だ。

一方、新卒採用を実施する企業を対象にしたアンケート(有効回答数330件)において、「学生に提示している年収」に関する設問では、最多回答が「300~399万円」(56.1%)となった。学生の約2割は、「500万円以上」を望んでいるものの、実際に「500万円以上」と回答した企業は0.3%にとどまった。

提示する給与額について、前年からの変更があるかどうかについては、「変更はない」と答えた企業が65.2%だった。一方、「増額した」と答える企業も34.8%と、新卒の平均給与額が年々増加していることが窺える結果となった。

就活生の2割が初任給「500万円以上」を希望 提示年収が希望より低い場合に「辞退する」は8%