福原遥が主演を務めるABEMA連続ドラマ『透明なわたしたち』の5話が放送された。
参考:【写真】トー横キッズのサクラ演じる菊池姫奈「お姉さんなら、ちゃんと書いてくれると思ったから」
本作は、ゴシップ週刊誌ライターの主人公・中川碧(福原遥)が、2024年渋谷で巻き起こったある凶悪事件をきっかけに、疎遠になっていた仲間たちと再会するという物語。それぞれがそれぞれの地獄に苦悩する様子が描かれた第5話をレビューする。
渋谷事件の犯人で碧の同級生・尾関健(林裕太)のことを知っているというトー横キッズのサクラ(菊池姫奈)が碧のことを尋ねてきた。記憶のなかの尾関は、まさか凶悪事件を起こすとは思えないほどに優しい人物だったとサクラが語る。そのことを碧に打ち明けようと思ったのは「お姉さんなら、ちゃんと書いてくれると思ったから」とのこと。あまりにもかけ離れて報道されている尾関像をしっかりと捉えてくれると信じてのことだったようだ。
それゆえ、碧はどうにか少女の期待を裏切らないよう、丁寧に言葉を紡ぐ。それゆえ、いつもよりも時間がかかってしまうのだが、その直後に残酷すぎる現実が待ち受けていた。それは、上司である田嶋(渋川清彦)が尾関がサクラを買春したとのタイトルで勝手に記事を出したというもの。そこに追い打ちをかけるかのように、以前不倫騒動を報じた女優が自殺未遂を図ったとのニュースが。
これにより、碧は高校時代から憧れている一ノ瀬蓮(金子大地)と飲みに行き、ままならない自分の境遇について打ち明ける。そうして、言うのだ「私、先輩のことが好きだったんです」と。
これを聞き、いままで抑えていた気持ちが爆発したかのように肌を重ねた2人。しかし、現実はまた残酷だ。朝、目が覚めると一ノ瀬はそこにいない、結局憧れは憧れでしかなく、碧は仕事においても恋においても、高校時代に描いていた自分とはかけ離れていた。
そして、すべてを諦めたかのように地元へと帰省し、偶然あった風花(小野花梨)に「憧れだけじゃ、務まらんのよ」と吐き出す碧。ただ、これを聞いた風花は「地元に帰ってきたら、楽になれると思っている?」とイラッとしたような反応。
そうして、自分が今置かれている状況を話し、“トモダチ”というアカウントを作った理由を「私以外、みんな幸せに見えるから」と回答。「自分で選んだことじゃないんけ?」と涙をこぼしながら訴える姿は、心をギュッと締め付けた。
自らの境遇に息苦しさを感じている碧、風花、梨沙(武田玲奈)そして未成年淫行疑惑でゆすられている高木(倉悠貴)、闇バイトから抜け出せなくなり自殺を図ろうとした喜多野(伊藤健太郎)……。それぞれがそれぞれの地獄にいる。幸せとはなんなのか、なぜ尾関は犯行を起こしてしまったのか。ラスト1話でどこまで回収されるのか、最後まで見逃せない。
(文=於ありさ)
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