『進撃の巨人』『デスノート』『寄生獣』など、複数の日本アニメ中国ネットから消えることとなった。6月8日芸術事業などを管理する中国文化部は、「暴力ポルノテロ活動など、未成年に悪影を与える描写が見られる」として、日本アニメ38作品のネット配信を禁止することを決めた。

 これに反したサイト運営会社には、営業停止処分から営業許可剥奪までの厳しい処分が下されるとみられている。また『進撃の巨人』は、6月13日開幕の上海映画祭で上映予定だったが、直前に上映中止が通達されている。

 反日感情がくすぶり続ける中国にあっても、根強い人気を得てきた日本アニメ規制に踏み切った当局には、ある思惑が見え隠れする。中国事情に詳しいフリータイターの吉井透氏はこう摘する。

「表向きは少年保護ですが、本当の狙いは内産業保護。ここ数年、中国アニメ市場は急成長する中、人気の高い日本アニメを排し、コンテンツを育成したいというのが本音でしょう」

 市場調会社「フロスト&サリバン」によれば、2013年時点の中国アニメ産業全体(キャラクター衣料や玩具などコンテンツを含む)の売上高は、871億人民元(約1兆7,000億円)に達しており、すでに日本アニメ産業を2,000億円ほど上回っている。これだけの市場から生まれる富を、日本に奪われたくないというのが日本アニメ叩きの理由というわけか。

 さらに16年には、中国の売上高は1,453億人民元(約2兆8,000億円)に上る見込みで、1兆7,267億円にとどまるとされる日本の売上高を大きく引き離すとみられている。

 そんな中、中国日本アニメ規制日本国内のアニメ作品にも、影をおよぼす可性があるという。

中国市場は大きいだけではなく、打ち出の小槌といわれているキャラクタービジネスの割合が、業界売上高の3割以上を占めていると推定される。日本国内でのキャラクタービジネスがすでに頭打ちとなる中、中国市場への期待度はかなり大きかった。そこへ来ての規制の動き。今後は、中国での展開を見越して、暴力行為やエロ、体制打倒などの要素を含まない作品づくりというのもひとつの戦略となってくるでしょう」(アニメ業界関係者)

 マントを翻した習近平そっくりのキャラクターが、汚職役人を次々と失脚させるような日本アニメが誕生する日も近いかもしれない!?
(文=牧野

中国動画配信サイト「楽視網。"ブラックリスト入り"を逃れた日本アニメは依然人気だ。