日常で非常に多くの機会口にしているであろう「誰かへの呼びかけ」には、相手との関係性や、呼びかける人の「その人とどう向かい合うか」といった姿勢が含まれている。
数多くある呼びかけは、たとえば「あなた」と「お前」でだいぶ使われ方が違うように、それぞれが固有のニュアンスを持ち、呼びかけとはそれほど奥深いものである。

その呼びかけについて、「教えて!goo」には、「人から、何と呼びかけられたら嫌ですか?」という質問が寄せられた。

■ツートップは「おい」と「お前」

「『おい』とか『おまえ』とか命令口調で言われると頭きます」(じゃりてんさん)

「『おい』とか『あんた』とか『おまえ』とか冷たい呼び方で言われると嫌いになります」(POMsanさん)

口調や声音で、呼びかけのニュアンスはだいぶ変わる呼び方ではないだろうか。

「父親に時々『おまえ』と言われますが、それだけは昔からのせいか気にならないのですが……。旦那とケンカになると『おまえ』と呼ばれるので殴りたくなりますが、なんとか我慢している状態です」(eri5-178さん)

「旦那に『お前』や『オイ』と呼ばれたら、イラッとします」(miiちゃん8さん)

思うに、昭和は夫から妻への「お前」という呼びかけが今より許容されていたように思うので、「お前」が嫌われるのは平成ならではの風潮という印象もある。

■そのほか、好きになれない呼びかけ

「『ちょっと!』接客・販売していますが、お客様にこう呼びかけられるのが嫌です。ちょっとってなんだよって思っちゃいますね(´Д` )」(cho-suさん)

「親しくない人からの呼び捨てやあだ名も苦手です。なんか勝手にテリトリーに入って来られた気がするので」(broccomanさん)

「姑からの『あんた』。これがどうも地域性というか、方言とでもいうか、本人にとっては親しみを込めた呼び方らしく、姑は自分の息子(私の夫)に対しても『あんた』と言いますが、私はイヤでたまんない!」(3nkさん

「他人から『奥さん』『お母さん』『おばあちゃん』。結婚してないかもしれないし、子どもはいないかもしれないし、年寄り扱いは嫌。知り合いの男性は何かのイベント会場で子どもがいないのに『お父さん』と呼びかけられてちょっとショック受けてました。子どもがいてもおかしくない年齢ではありますが」(beni-sakuraさん)

今回のQ&Aで寄せられた回答数は56件。そのうち、「嫌な呼びかけ」でとりわけ多く挙げられたのが「お前」と「おい」の2つ。そこからだいぶ離されて「名前の呼び捨て」「ちょっと」「君(きみ)」などと続いた。
本Q&Aを閲覧し、呼びかけ一つで実に多くのことが表現されるのだと改めて知った思いである。これまで「呼びかけ」に全く注意を払ったことのなかった人は、少し意識してみるだけでコミュニケーションが円滑になるかもしれない。みなさんはどんな呼ばれ方をされたら嫌だろうか?

武藤弘樹muto koki)

「嫌な呼びかけ」1位は……!? あなたはなんて呼びかけられたら嫌?