見た目では明らかに下り坂なのにも関わらず、その下りきったところで車をニュートラルに入れると車が後退し、下り坂を登っていく――。そんな珍しい坂道が実在します。どのような場所なのでしょうか。
下り坂なのに「登る」だと…?
見た目では明らかに下り坂となっているにも関わらず、その下りきったところで車をニュートラルに入れると車が後退し、下り坂を登っていく――。そんな珍しい坂道が実在します。今回、現地へ行き実際に確かめてきました。
「おばけ坂」と呼ばれるこのスポットは、沖縄県の離島・久米島の島内一周線から約800m入ったところに存在します。ここは、交通量も少なく、道幅も車がかろうじてすれ違うことができる程度の広さでしかありません。
しかし坂の入口には、「おばけ坂」の立て看板と、説明書きが描かれたボードが設置されているほか、自動車のホイールも地面に置かれています。これは、この坂に来た人が坂で転がし、ユニークな体験を楽しめるようにするためでしょう。
実際、看板に従って、もっとも坂を下りきったように見える場所からホイールを転がしましたが、ホイールが予想の逆方向へと登っていきます。車をニュートラルにし、ブレーキを放したときも同様で、通常のバックより少し遅いくらいのスピードで、下り坂を登っていきました。
説明によると、この「おばけ坂」が発見されたのは1990年頃のことで、この坂で植物採取をしていた高校教諭が車をニュートラルにしていたところ、下り坂のはずなのに車が登りはじめるという現象を偶然発見。当時は原因不明の超常現象とされ、ミステリースポットとして知られるようになったといいます。
2024年現在、この坂は周りの風景や勾配により起こされる「縦断勾配錯視」という錯覚により、上り坂を下り坂と見誤ってしまうためと一般的には結論付けられています。ただその一方で、この一帯は多数の兵士が亡くなったという記録も残されている古戦場でもあることから、この坂の不思議な現象を「霊的な力によるもの」とする説もあるそうです。
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