インド北部のウッタル・プラデーシュ州で先月24日、橋から投げ捨てられながらも奇跡的に一命を取り留めた男児が、2か月の入院生活を経て退院した。生まれて間もない男児は瀕死の状態で病院に搬送され、スタッフが我が子のように接してケアを続けていた。インドのニュースメディア『NDTV.com』などが報じた。

ウッタル・プラデーシュ州ハミルプールで今年の8月26日、生後7日ほどの男児が橋から投げ捨てられ、木に引っ掛かっているところを地元の住民が発見した。男児は少なくとも体の50か所に傷を負い、背中には動物による咬傷があり、血まみれの状態でハミルプールの病院に運ばれた。その後、より設備の整った同州カーンプールにあるララ・ラジパット・ライ病院に搬送され、新生児集中治療室で治療を受けた。

男児は発見当時、医師が「生存できるかどうか確信が持てない」と語るほど瀕死の状態だったが、約2か月の入院で奇跡的な回復を見せ、先月24日に当局および児童福祉委員会に引き渡された。

病院のスタッフは、男児がヒンズー教クリシュナ神の生誕祭ジャンマシュタミ(Janmashtami)」の日に発見されたことから、クリシュナKrishna)と名付けて我が子のように接し、その後も大切にケアを続けていた。病院長のサンジャイ・カラ医師(Sanjay Kala)は「あの子が退院する際、みんなが涙を流して見送りました」と明かし、次のように述べた。

「男児は橋から投げられた時にできた多数の傷に加え、カラスや他の動物などによる咬傷がありました。医師や看護師は男児が苦しむ姿を見てひどく心を痛め、入院中に深い愛着を抱くようになりました。ただ、傷がひどいため抱っこすることができず、看護師たちは子守唄を歌って男児を癒し続けたのです。」

「そんな姿を見ていて、私は『どうして両親は、男児を橋の上から投げ落とすことができたのだろう』と考えたものです。たとえ望まない子であっても、両親は病院や寺院、モスクなどの前に置いていくことができたはずです。そうすればあの子は、怪我をしたり、動物に噛まれることもなかったのです。」

また、新生児集中治療室の看護師ラクシュミーさん(Lakshmi)は「あの子が入院して10~15日後、体調が良くなってきたのを見て、私たちは抱きしめたい気持ちに駆られました。でも、当時は傷がひどくて叶わなかったのです。そしてやっと抱きしめることができるようになった矢先に、退院することになったのです」と語り、このように続けた。

「それでも私たちは、あの子が完全に回復したことを嬉しく思っています。そして、素晴らしい人生を送れることを願っています。」

ちなみに米ジョージア州でも2019年、へその緒がついたまま森に遺棄されていた新生児が、近所の住民に発見されて命を救われた。遺棄した母親は2023年に逮捕された。

画像は『Amrit Vichar 「Kanpur: हमीरपुर में बच्चे को 50 फीट ऊंचे पुल से नीचे फेंका, आई 50 चोटें, फिर भी नहीं हारी जंग, हैलट में डॉक्टरों ने बचाई जान」』『NDTV.com 「Newborn Was Thrown Off Bridge By Parents, Survived 50 Wounds, Animal Bite」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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