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10月17日に虚血性心疾患で急逝した西田敏行さん

虚血性心疾患のため10月17日に亡くなった西田敏行さん(享年76)。今日11月4日は、本来なら77歳の誕生日。喜寿を迎えるはずだった。

そこで本誌は、名優・西田さんへ追悼の意を込めて、500人の男女に「もう一度見たい出演作品」についてアンケートをおこなった。

西田さんは亡くなる9日前、『劇場版ドクターX』の会見に登場。米倉涼子(49)演じる主人公・大門未知子を目の敵にする蛭間重勝役を演じたこの作品が遺作となった。その『ドクターX』は4位に。アンケートでは“西田さんならではの敵役”を惜しむ声が相次いだ。

「西田さんの演技で作品により重苦しさ等感じず、コミカルな演技が敵のようで敵ではなく可愛らしくて素敵でした」(38歳女性・京都府)、「ちょっと嫌な役柄でありながら、独特の雰囲気でクスッ笑わせてくれて憎めない、そんな人柄が役にも出ていた」(63歳女性・兵庫県)、「なんといっても米倉涼子との掛け合いが面白かった」(64歳女性・愛知県)。

第3位となったのは78年に放送されたドラマ『西遊記』(日本テレビ系)。主演・堺正章(78)が孫悟空を演じ、西田さんは猪八戒を演じていた。西田さんの訃報を受け、堺は《猪八戒、沙悟浄、三蔵法師もみんな天竺へ旅立ちました。私もいずれその旅に参加します。心よりご冥福をお祈りします》と追悼コメントを――。

アンケートでは、“幼少期に楽しみに見ていた”意見が多かった。「子供の頃、とても好きで見ていた。夏目雅子さんをはじめ、各キャラクターを演じた俳優がはまり役だったと思う。 西田敏行さんの演じた猪八戒はとてもキュートで憎めないキャラクターだった」(52歳女性・東京都)、「子供のころに見ていたので、もう一度見直したい」(53歳男性・愛知県)、「出演者のコンビネーションが素晴らしかった」(79歳男性・神奈川県)、「西遊記の猪八戒役、西田さんのはまり役だと思う。とん平さん(*『西遊記II』に出演)には申し訳ないが、西田さんの猪八戒のほうが味があって好きだった」(56歳男性・千葉県

そして第2位は、亡き妻が残した娘3人と暮らすカメラマン・池中玄太を熱演した80年のドラマ『池中玄太80キロ』(日本テレビ系)。娘役で共演した杉田かおる(59)は《3年前にお会いした時、西田さんが、池中玄太の中で現役なのは、僕とかおるちゃんだけになったね。と寂しそうにおっしゃってました。撮影当時は、本当の親子ではない役柄ということもあり、本当に西田さんに反抗的になってしまい困らせた事もありました。申し訳なく思ってます。池中絵里としては、1人ぽっちになって悲しいです》と追悼コメントを出していた。

アンケートでは、西田さんの「不朽の名作」と絶賛の声だった。《西田さんの名作中の名作。 他の出演者も魅力的な俳優が多い。 最近、再放送がないのでまた観たい》(52歳男性・東京都)、《何度見ても泣ける》(49歳男性・茨城県)、《懐かしい。坂口良子さんと子供の頃の杉田かおるとのやりとりがとても面白かった》(60歳女性・東京都)、《西田敏行という俳優の存在を知って好きになったドラマで笑いと涙の名作だから》(60歳男性・宮城県)。

“見直し宣言”する往年のファンも。《当時の自分は幼くて記憶にないが、西田さんの出世作だし大人になった目線で見てみたい》(53歳男性・愛知県)、《小学生の時に見ていて、こういうお父さんだったらなと思い出しました。もう一度見たみたいです》(55歳女性・福岡県)。

栄えある第1位は、映画『釣りバカ日誌』シリーズ。

「西田さんが、万年平社員“ハマちゃん”こと浜崎伝助を演じ、三國連太郎さんが建設会社社長“スーさん”こと鈴木一之助を演じた映画『釣りバカ日誌』は、1988年に第1作が公開されました。以来、09年まで全22作が公開される国民的人気シリーズに。

15年にはテレビ東京系でドラマ化された際には、濱田岳さんが“ハマちゃん”を演じ、西田さんが“スーさん”役を。当時、西田さんはオファーを受けた理由を聞かれ、『最初は(自分がスーさん役になるのは)ありえないと思ったけど、いまも街で“釣りバカ、やらないんですか?”と聞かれるので、考えが変わった』と話していました。メインキャラクター2人を生涯かけて演じきった、間違いなく名優・西田さんの代表作です」(制作関係者)

アンケートでは、西田さんの明るい人柄とスーさんが見事に合致しているという声が多数を占めた。「スーさんとの掛け合いが絶妙で、釣りの楽しさがよくわかり、西田さんの人柄が表現されている作品だと思う」(75歳女性・京都府)、「西田敏行の代表作で最も彼らしい作品だから」(61歳男性・埼玉県)、「キャラクターが西田さんにピッタリで、たのしく温かい気持ちで観られる」(71歳女性・東京都)。さらに「二役を演じていたので」(55歳男性・宮崎県)、「合体のシーンや何気ない会話の数々」(74歳男性・神奈川県)といった長年の“釣りバカ”ファンと思われる声も……。

西田さんの名作を見直しながら、今宵は献杯――。