同胞オースティン(右)とともにDeNAの日本一に貢献したフォード(左)。(C)Getty Images

 日本での日々は刺激に満ち溢れていた。現地時間11月6日に米ポッドキャスト番組『Foul Territory』のゲスト出演したDeNAマイクフォードが、日本一を達成した横浜での経験を回想した。

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 約半年間だったが、さまざまな経験を積んだ。日米両球界でポストシーズン進出争いが佳境を迎えた今年7月にDeNAと契約したフォードは、外国人枠の関係でチャンスは限られた中でも腐らずにプレー。いわば“秘密兵器”としてメンバー入りを果たしたポストシーズンでは、勝負所で2本塁打を放つなど活躍。チームの26年ぶりの日本一に貢献した。

 そもそも日本行きには迷いもあった。フォードは「僕はなんというか……あまり変化を好むタイプじゃない。だから日本に行くことには少なからず不安はあった」と回想する。それでも世界的にも治安の良さ知られる日本で「すぐに不安は吹き飛んだ」という。

「文化を知らないことで失敗もしたくない。知らないことで誰かを傷つけたくないという思いが僕にはあったんだ。日本には行ったことがなかったから色んなことが頭の中を巡った。でも、いざ決断をして行ってみたら、3、4日で不安は全て消え去ったよ」

 通訳や周りのスタッフたちのサポートもあり、数日で環境面に馴染んだフォード。彼は日本の“異文化”をとにかく楽しんだという。同番組の司会で、MLB通算2043安打を誇るレジェンド捕手のAJ・ピアジンスキー氏から「マイク、君はポストシーズンのファーストステージで勝った時に『メジャーリーグじゃ各ラウンドで祝うんだけどな』って思わなかったかい?」と問われた32歳は白い歯を見せながら、“下剋上”の舞台裏でのエピソードを披露した。

「たしかにあれは面白かった。ファーストステージを勝った時に僕は『え? パーティーしないの?』って思ったんだ。でも、それが日本のやり方かという感じで受け取ったよ。僕らは1回戦(CSファーストステージ)でハンシンと対戦して勝ったのに祝うことがなかったから、『何?』って思って、実は小さい独自の祝勝会を毎回やっていたんだ。『おい、ビールを手に入れろ』って感じでね」

 3位から日本一へと駆け上がるドラマチックなチームの一員となった。その経験を「とても楽しい時間だったし、何よりも彼らは素晴らしい仲間だ」と振り返ったフォード。来季契約については不透明だが、ふたたび日本球界でプレーする機会があれば興味深い。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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