美容室に行く際に、事前に店の公式サイトやLINEなどで予約をする人は多いと思います。ただ、手軽に予約できるためか、客が店側に一切連絡をせずに予約をキャンセルする、いわゆる「無断キャンセル」が問題となっているようです。客が美容室の予約を無断でキャンセルした場合、店にどのような被害が生じる可能性があるのでしょうか。美容師の原木佳祐さんに教えていただきました。
施術をしなくても給料の支払いが発生
Q.美容室の顧客が無断で予約をキャンセルするケースが多いと聞きますが、本当なのでしょうか。無断キャンセルを防ぐために、美容室はどのような対策をしているのでしょうか。
原木さん「私の店舗は完全予約制のため、無断キャンセルというのは数える程度しかありませんが、実際そうしたケースが多いというのはよく聞きます。
急な体調不良や予定変更など、『どうしても行けない!』ということは誰にでも起きると思います。それは仕方がありませんが、やはり何も連絡がない状態では機会損失・経済的損失が非常に大きく、店舗側としても連絡が一切ないというのはご遠慮いただきたいのが正直な意見です。
無断キャンセルの対策としては、リピーターとしてご予約いただいたお客さまに対して確認のご連絡をしているほか、事前決済サービスなどを用意しています」
Q.店の規模によって異なるとは思いますが、無断キャンセルが発生した場合、どの程度の損失が発生するのでしょうか。
原木さん「一例を挙げて説明させていただきますね。例えば、『カット+カラーで1万円』の施術をするお店があったとします。施術の推定の所要時間は2時間です。時給が1時間1000円分に加え、歩合のパーセンテージが30%だとすると、2000円+3000円ですから、美容師の報酬は計5000円ということになりますね。
一方、この施術を予約していたお客さまが無断でキャンセルをしてしまうと、施術料金としていただくはずの1万円がまるまる消失します。さらに、施術をしなくても基本給は支払わなければならないため、合計で1万2000円の損失ということになってしまいますね。
これが100回起こってしまうと120万円の損失になってしまいますから、店舗としては非常に痛手であることが分かると思います」
Q.美容室の予約時間に遅刻しそうになったり、急用で行けなくなったりしてしまった場合、予約時間の何分前までに連絡をしておくのがよいのでしょうか。
原木さん「まず当日に遅れそうなことが分かった場合は、その時点ですぐに連絡していただけるとうれしいです。具体的に何分前までが望ましいといったことはありませんが、早ければ早いほどスタッフ同士での連携が取りやすくなり、他のお客さまへの影響を少なくすることができます。
また、行けなくなってしまったという場合も同じく、分かった時点でご連絡をいただけるのが一番ベストですね。もしもLINEなどで連絡ができたり、担当の美容師と直接連絡ができたりする場合は、閉店している時間帯に連絡しても問題ありません」
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やはり、顧客の無断キャンセルは、店にとって大きな損失であることが分かります。急用でどうしても行けなくなってしまったり、遅刻してしまいそうになったりすることはあるかもしれませんが、店に迷惑をかけないためにも、絶対に連絡をするようにしましょう。
オトナンサー編集部
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