4個のトゥールビヨンを内包した“からくり”を作る様子がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で46万再生を超えており、1万5000件以上の高評価を集めています。

【画像】完成した“からくり”

 動画を投稿したのは、さまざまな“からくり作品”を手掛けるクリエイター「からくりすと」さんのYouTubeチャンネル。精度の高い時計を作るために発明された仕組み「トゥールビヨン」を複数内蔵しているからくりを作っていきます。

 全体的なシルエットは球体で、4個のトゥールビヨンを包むように、リング状の差動機構および3軸回転体を配置。3軸回転体は取り付け台とつながっており、その取り付け台背面には動力源であるメジャーのぜんまいを備え付けました。

 3Dプリンタで出力した樹脂製の部品は合計165個。まずは3軸トゥールビヨンから組み立てていきます。駆動のための金属球を埋め込み、樹脂製のパーツ同士をピンでつなぎ、ギアが正しく動作するか確認しながらピンセットで位置を微調整。中心部の赤いパーツを包むように金色のギアが付いた灰色リングを2つ付ければ完成です。この時点で複雑すぎる……!

 同様の手順で合計4つ用意したら、次は各トゥールビヨンの状態に合わせて動力を伝える差動機構を2セット作ります。黄色リングを囲むように、入力担当の紫色ギアと出力担当の金色ギアを配置。1つの「輪」としてまとめ上げました。

 この「輪」と交差するように、もう1組の紫色ギアと金色ギア、黄色リングを組み上げれば「差動機構その1」が完成。固定用の灰色パーツとともに、動作を確認しながら4個のトゥールビヨンを組み込みます。

 続いて、紫色リングと黄色ギアからなる「差動機構その2」と、大きな金色ギアと灰色リングからなる3軸回転体を作成。組み立ての段階に入ります。まずは3軸回転体と差動機構その2を固定し、リング内側の空間にトゥールビヨン付き差動機構その1を入れてネジ止め。台座部分を取り付けて本体部分が出来上がりました。

 動力部を備え付けた取り付け台に組み込めば作品が完成。ぜんまいは手回しでエネルギーを蓄える仕組みになっていますが、動作する部品が多いため「アホみたいにエネルギーを消費する」そうです。ちなみに、完成までに要した期間は3週間でした。

 精度の高すぎるからくりに、コメント欄では「かっけぇええええ」「こんな複雑な機構を設計できるのすごすぎる」「コレは狂気の領域」「もっと評価されるべき」「普通こんなに精度が出るものではないです……」「『実用性』という不純物の一切ない純度100%のロマンの塊」と、驚きの声が多く上がっています。

動画提供:YouTubeチャンネル「からくりすと」

165個のパーツで“複雑すぎるからくり”を作成