2024年11月10日、中国メディアの紅星新聞は、スーパーマーケットで11歳の息子が転倒したのに誰も助けなかったとして、母親が店内の商品を次々と床に放り投げるトラブルがあったと報じた。
記事によると、中国のネット上で9日、「男児がスーパーで転倒後、母親が店を破壊」と題した動画が拡散して注目を集めた。動画では店内の床を走って転倒する男児の様子や、母親と見られる女性が店内に陳列してあった果物などを床に投げ落とす様子が映っていた。現場は湖南省長沙市にある中国EC大手アリババが手掛けるニューリテールスーパー「盒馬鮮生」の店舗だという。
母親は中国のショート動画アプリTikTokで公開した動画の中で「11歳の息子がスーパーの店内で転倒したにもかかわらず、誰も助けてくれる人はいなかった。息子はまだ昏睡状態にある」とし、脳震とうや頭皮血腫など複数箇所の損傷があったとする救急診療カルテの内容を掲載したこと、商品を床に投げつけたのは後日、店側に説明を求めるためだったと明かした。なお、同メディアの記者が母親と連絡を取ろうとしたが反応はなかったという。
一方、トラブルのあったスーパーの関係者は10日、母親が店にやって来て説明を求めたのは事実と認めた上で、「店舗は交渉に応じているものの双方は和解に至っていない」と説明したという。
記事によると、この件について河南省にある法律事務所の弁護士は、民法の規定に基づき店側は経営場所内において消費者の人身と財産の安全を保証する義務を尽くさなければならないものの、店側が安全確保や注意喚起を十分に行っていたことが証明できる場合は店側の責任は小さく、全く責任を問われない可能性もあると解説する一方で、11歳の児童の保護者には公共の場で安全に留意し秩序を保つよう教育する監護責任があり、責任が全うされておらず、管理不十分により子どもが床を走って転倒したとなれば、保護者が一定の責任を負わなければならないとの見方を示している。(編集・翻訳/川尻)
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