今年の秋は、中国の浙江省、福建省、江蘇省、江西省、湖北省など多くの地域でイノシシによる被害が頻繁に発生し、農作物が被害を受けているだけでなく、家禽がかみ殺されたり、人が傷つけられたりする事件も発生しています。イノシシが高速鉄道の線路に侵入して設備を壊し、列車が停車したり、ホテルのロビーに侵入してガラスドアを壊したり、観光客が地下鉄の入り口でイノシシに衝突されけがをしたりする事例が頻発しています。ホットワード検索にもイノシシの頻繁な出現が度々登場し、人々を悩ませています。南京市警察局指揮センターのデータによると、今年10月末時点で、南京市だけでもイノシシに関する通報記録が784件あったということです。
これについて、中国国家林草局イノシシ個体群コントロール専門家チームのリーダーである時坤氏は、「中国のイノシシの数が局所的な絶滅から現在の200万頭という驚くべき数にまで増えたのは、イノシシは繁殖力や環境適応力が高い上に、天敵が少なく、国が野生動物の違法な捕獲を禁止しているため、増加の伸びが速いからだ。個体数の増加に伴い、従来の生息地内での餌をめぐる競争が激化し、若いイノシシは新たな生存空間や繁殖の機会を求めて山を下り、都市周辺に拡散し始めている」と説明しました。
イノシシは現在、全国28省に広く分布しており、イノシシが山を下りて都市に侵入する問題について、国家林草局は浙江省、湖北省、福建省、江西省、広東省など14省でイノシシによる被害防止のための総合試行措置を展開し、捕獲したイノシシに対する無害化処理や、野生動物による被害に対する政府救済保険制度の適用など、一連の措置を行っています。(提供/CRI)
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