日本共産党を除籍されたうえ、党・福岡県委員会から除籍を理由に不当な解雇にあったとして、漫画評論家の神谷貴行氏が11月12日、共産党と県委員会を相手取り、党員たる地位や雇用契約上の地位にあることの確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状などによると、神谷氏は1988年、日本共産党の党員となった。1995年に当職員になったあと、2006年から福岡県委員会に雇用されて勤務した。
党・福岡市議団事務局長、県委員、県常任委員を歴任して、2018年に福岡市選挙に立候補するなどしていた。新語・流行語大賞で入賞した「ご飯論法」の命名者の一人でもある。
党首公選制など改革を主張した元党員・松竹伸幸氏が2023年2月に除名処分を受けたことをめぐり、神谷氏が会議で問題提起したが、その提案は否決された。
ブログでその経緯を書いたところ、県委員会から規約違反に問われたという。神谷氏は今年8月、日本共産党に除籍されて、その除籍を理由として県委員会からも解雇された。
神谷氏側は除籍や解雇は無効だとして地位確認を求めているほか、その過程の中でパワハラもあったと主張。「理不尽で心理的負担が重い調査によって適応障害を発症した」として、共産党と県委員会に損害賠償を求めている。
日本共産党広報部は「神谷氏の訴状が届いているわけでもありません。したがってコメントは控えます」と回答。党・福岡県委員会は「こちら側に情報は入っていないのでお伝えすることはない」とした。
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