中国メディアの環球時報によると、中国のトレンドや高級品市場を分析する米サイトのジンデイリーにこのほど、「中国の若者は『レス・イズ・モア』を選ぶようになった」とする記事が掲載された。
記事はまず、「中国では若者が日々のミルクティーやコーヒーを控える代わりに『レス・イズ・モア』というミニマリズムと質素な生活を選びながら今を生きている」とし、この傾向は、朝9時から夜9時まで週6日働く「996」やホワイトカラーの仕事、そして成功と地位の伝統的な指標からの脱却を反映していると分析した。
そして「毎日ミルクティーを1杯飲むと年に1万元(約21万円)かかる。節約するのは恥ずかしいことではない。恥ずかしいのは貧乏なことだ」という、中国のあるミニマリストのコメントを紹介した。
記事によると、中国のミレニアル世代とZ世代は、厳しい雇用市場に直面し、経済が不透明な中、仕事中毒よりも個人的な充実感を優先している。中国のSNS上では、こうした傾向が顕著で、「低欲望生活」や「ミニマリズム生活」などの概念が提唱されている。若い世代はますます独自の道を切り開くようになっている。困難な経済を乗り切る方法として、ミニマリズムと質素な生活を組み合わせて今を生きることを受け入れている。
記事はまた、中国ではコロナ禍を経て「デジタルノマド」が「ワーケーション」に取って代わられているようだとし、海外で就職面接を受けるという女性がSNSに「ワーケーション:働いているが、心は休暇中。結果がどうであれ、まずは日光浴をして海を眺める」と投稿したことを紹介した。
記事は、中国のZ世代の労働者のほぼ4分の3が、仕事をする主な動機として「旅行」を挙げ、伝統的な「住宅の所有」や「家族との生活」をはるかに上回っているとするHSBCの最新の調査結果にも触れた。
記事によると、中国の若い世代の嗜好(しこう)の変化は、それまでのライフスタイルや消費習慣を変え、新しいそれらを形作っているだけでなく、体験と柔軟性を優先する世代が経験するより大きな文化的変化の兆しでもある。(翻訳・編集/柳川)
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