スペイン代表に初招集されたFWサムエル・オモロディオン(ポルト/ポルトガル)が、“とある快挙”を達成したようだ。12日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。
2004年5月5日生まれのオモロディオンは現在20歳。昨年8月にグラナダのカンテラからトップチームデビューを果たした後、レンタル加入したアラベスでラ・リーガ初挑戦ながら8得点という堂々たる数字を残すと、今夏にはU-23スペイン代表としてパリオリンピックで金メダルも獲得した。そして、今シーズンからポルトに活躍の場を移したスペイン期待の“怪物”は、ここまで公式戦13試合に出場し12得点と本格的にブレイクしており、11月の代表シリーズで、CBアイトール・パレデス(アスレティック・ビルバオ)、MFマルク・カサド(バルセロナ)とともに、フル代表に初招集されている。
そんなオモロディオンの代表入りによって、地中海を挟んだイベリア半島の向こう側にある自治都市が、72年ぶりに“ラ・ロハの地図”に復活したとのことだ。スペイン紙『マルカ』によると、アフリカ大陸に位置する飛び地であり、モロッコと国境を共有するメリリャ生まれのオモロディオンは、1952年12月に代表デビューを飾ったラモニことラモン・マルティネス・ペレス氏以来の同都市出身者という。セビージャやグラナダ、マラガといったアンダルシア州のクラブで活躍したラモニ氏は、スペイン代表として2試合に出場したと伝えている。
なお今回の招集メンバーでは、ナバーラ州を含めたバスク地方出身者が最多7名に。CBダニエル・ビビアン(アスレティック・ビルバオ)やMFマルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)、FWミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)らと現在も生まれ故郷のクラブに在籍している選手が大半だ。それに次いでいるのが、左SBマルク・ククレジャ(チェルシー/イングランド)やMFダニ・オルモ(バルセロナ)らのカタルーニャ州で、6名となっている。また、メリリャに浅からぬ縁を持っている選手としてFWニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ/ナバーラ州出身)が挙げられ、難民となった両親が同都市からスペイン本土へと亡命したエピソードが有名である。
UEFAネーションズリーグ2024-25シーズンの2試合を控えるスペイン代表は、15日にデンマーク代表と、18日にスイス代表と対戦するが、オモロディオンはメリリャ出身者として、史上2人目のスペイン代表デビューを果たすのだろうか。
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