「セダンにマッドガード」「灰皿」「回転シート」ってあぁ懐かしや! 昭和オヤジ感涙のほぼ絶滅装備6選

この記事をまとめると

■昭和〜平成初期のクルマにはユニークな装備が数多く用意されていた

■喫煙者が多かったことから灰皿は鉄板装備であった

■いまではオプションですら用意されていないアイテムも多い

昭和に愛された懐かしの装備を振り返る

「昭和を懐かしむ」、「オジさんあるある」というノリでは語りたくはないが、気がつくと「どこへいっちゃったんだ」的な装備なども少なくない。そのようなものをいくつか見てみたい。

女性仕様車

 日本ではいまだに「軽自動車=女性」のようなイメージが残っている。その軽自動車ではかつて売れ筋モデルには決まって「女性仕様車」が設定され、そしてこぞってテレビコマーシャルなどの宣伝では各界で活躍する女性が起用されていた。軽自動車だけではなく、カローラサイズぐらいまでのコンパクトモデルでもその傾向がお約束であった。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

 たとえばいまでも「AE86」で有名なトヨタ・スプリンタートレノシリーズでも「XL リセ」という女性仕様車が設定されていた時期があった。アピールしていた装備をみると、チルトステアリング、回転数感応型パワーステアリング(当時は全車標準装備ではなかった)、リモコンドアミラー、シート上下アジャスター、運転席バニティミラー、明るい内装色などが挙がっていた。

灰皿&シガーライター

 インパネの「一番いい場所」にあったのが灰皿とシガーライター。CS放送で昭和時代のドラマを見れば、ホームドラマですらタバコを吸うシーンが頻繁に出てくるほど世のなかには喫煙者が多かった。そんな昭和時代のマストアイテムである灰皿は、令和のいまでは消え去り、シガーライターはなくなったものの、「アクセサリーソケット」として挿入口が残っているモデルもまだまだ多い。灰皿が消える前には、灰皿をタバコを吸わない人向けに「小物入れ」として使える間仕切りのようなアクセサリーが用意されていた。単純に灰皿として使わずに小銭を入れるという人も多かったようだ。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

ブロンズガラス&ティンテッド(ぼかし)ガラス

 いまどきのモデルでは、ミニバンなどを中心にサイドウインドウが「プライバシーガラス」として、黒いガラスになっていることも多いが、昭和後期や平成前期ではホワイトのボディカラーでは全面ブロンズガラス、そのほかのボディカラーでは「フロントぼかしガラス」などとも呼ばれ、フロントウインドウ上部を青などで着色することで高級感が演出されることが多かった。いずれも、「高級車」でよく採用されていたものなのだが、昭和後期や平成前期では大衆車と呼ばれるクラスでも広く採用されるようになった。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

いまではほとんどの機能が絶滅……

助手席ウォークイン機構

 メーカーによって呼称が異なっていたとも記憶しているが、 2ドアモデルで広く採用されていた機構。助手席の座面後ろにペダルがあり、これを踏むと助手席背もたれが前へ倒れ、シートが1番前まで一気にスライドし、後席乗員の降車負担軽減を図るというもの。助手席背もたれ上部などにレバーがあり、このレバー操作でも助手席背もたれを前に倒し、シートを一番前にスライドさせることで後席への乗車負担軽減も図っていた。

 なかにはリクライニングはさせずに、座面ごと前へ助手席が倒れるという機構のモデルもあった。トヨタGR86では現在でもウォークイン機構が採用されているほか、「2ドアクーペ」や「2ドアセダン」、「3ドアハッチバック」のラインアップが多かったころは便利装備として広く注目されていた。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

回転対座シート&フルフラットシート

 まだ「ミニバン」というものが一般化しておらず、「ワンボックスワゴン」などと呼ばれていたモデルに人気があったころにマスト装備だったのが、中席が回転して後ろを向くことで最後列シートと対座できるものと、運転席から中席、後席の背もたれを倒すことでフルフラットにできる機構。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

 しかし、対座させた場合、進行方向の反対側を向く中席に座ると、「クルマ酔いしやすい」といった話も聞いたことがある。中席と後席だけでフルフラットにすることができるのも一般的であり、走行中には子どもたちがゴロゴロ寝そべって車内で過ごすといったこともでき、便利とされていた。

 国内ミニバンの先駆的モデルである初代トヨタ・エスティマ派生の、「エスティマ・ルシーダエミーナ」でも回転対座だけではなくフルフラットシート機構も採用する仕様があり人気を博していた。

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マッドガード

「泥よけ」などとも呼ばれたマッドガードは、雨天時走行などでボディへの泥はねを抑止する実用効果のほか、大衆車クラスでは上級グレードで標準装備になるケースもあったりして憧れ的装備であったと認識している。筆者の家では1981年に4代目でシリーズでは最後のFRとなるトヨタ・カローラセダン1500GL(四ツ目ライト前期型)が納車された。ただし、標準状態ではマッドガードは未装備(SEとGTに標準装備)だった。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

 しばらく乗っていると、法定点検のタイミングで父親がディーラーオプション(標準装備のものと同じ)のマッドガードを装着させていた。装着すると、あるのとないのとでは見栄えがまったく異なり、「ちょっとグレードアップしたな」と、当時少年だった筆者も感じていたことを覚えている。

 その後もしばらくはカローラクラスでは上級グレードのみ標準装備というケースが目立っていた。いまではオプションでも存在しないモデルが主流となっているようだ。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

 生活環境の変化(いまでは喫煙するひとは肩身が狭いなど)や、法規上の問題などでかつてはもてはやされたものが消えていくのはやむを得ないこと。「あのころはこんな装備があったなぁ」と懐かしむことができるのも、オジさん世代の特権と思い、筆者は思いをはせることがある。

いわれてみればほぼ絶滅した懐かしのレトロ装備6選

「セダンにマッドガード」「灰皿」「回転シート」ってあぁ懐かしや! 昭和オヤジ感涙のほぼ絶滅装備6選