中国南部の広東省珠海市のスポーツセンターで11日夜、暴走したスポーツタイプ多目的車(SUV)が大勢の人を次々とはね、35人が死亡、43人が負傷する事件があった。運転していた62歳の男は、離婚後の財産分与に不満を抱き、犯行に及んだとみられている。
独ドイチェ・ヴェレ(DW)の中国語版サイトがAFP通信やロイター通信の報道として伝えたところによると、事件を受け、現場には仮設の献花台が設置されていたが、13日朝には花束やろうそくが撤去された。
中国外交部は13日、外国人の死傷者はいないとし、「中国は世界で最も安全な国の一つだ」と強調した。
事件発生後、SNSの微博(ウェイボー)や小紅書(レッド)では、暴走現場の様子を撮影した写真や動画が当局によって削除された。
DWは「中国には言論統制の長い歴史がある」とし、7万人もの死者を出した2008年の四川大地震では海外メディアの報道が規制され、同年の北京夏季五輪開幕直後に起きた被害者約30万人に上るメラミン混入粉ミルク事件でも当局による言論統制が行われたことに言及した。(翻訳・編集/柳川)
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