駅や街中で体当たりしてくる“ぶつかりおじさん”が問題になっている。投稿を寄せた東京都の30代女性(ITエンジニア/年収750万円)も今年の夏、渋谷駅で遭遇した。

井の頭線の電車を降り、改札を抜けて連絡通路を歩いていたときだった。

「前方から変な動きのおじさんが来ました。なぜか斜めに通路を横切りながらずんずんこちらに向かって……」

怪しい動きをする男の目線の先には、「浴衣を着た20歳ぐらいの子」がいた。(文:天音琴葉)

「これはぶつかりおじさんだ!」咄嗟に進路を予測して……

「髪もかわいく結っていて、これから花火大会にでもいくのかな」と、なんとなく目で追いかけていたら、怪しい男が浴衣姿の女の子のほうに向かってくることに気づいた。だが彼女は、まったく気づいていなかった。

「当の彼女を見ると、スマホを触りながら歩いており、おじさんに気づいていません。これまでの人生で何度かぶつかりおじさんの被害に遭っていた私は、これはぶつかりおじさんだ! と直感しました」

突然の出来事で、どうしたらよいかわからなかったという。そうしている間にも男は女の子のすぐ近くまで来ていた。

「私は咄嗟に足を早めて彼女の横に出ました。おじさんが彼女にぶつかる進路を完全にカットする形です。急に現れた私を見て驚くおじさんが見えましたが、私も自分の咄嗟の動きに驚きました。おじさんは歩いてきた勢いでもう方向転換することが間に合わず、私に軽くぶつかって去って行きました」

自らを盾にして彼女を守った女性だが、男に接近した瞬間、怖かっただろう。一方で当の女の子はというと……

「横を見ると、浴衣の彼女はおじさんと私の攻防戦に全く気づいておらず、変わらずスマホを見ながら歩いていました」

気づかないから感謝もされなかった。だが心の広い女性は、「歩きスマホには注意してね」とは思ったものの、「彼女が無事に目的地に着いて楽しめますように」と願い、その場を後にした。

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渋谷駅で “ぶつかりおじさん”が「浴衣姿の若い女の子」に狙いを定め…… 盾になってガードした30代女性