アメリカではサンクスギビングデー(感謝祭)に七面鳥の丸焼きを食べる習慣がある。その多くは冷凍で売られており、解凍してからオーブンで焼くのが一般的だが、丸揚げにする調理法もある。

 だが七面鳥はニワトリよりも大きいので解凍にかなり時間がかかる。それが待てず、冷凍状態のものを丸ごと高温の油に入れてしまうと、爆発レベルの炎が上がる。

 消防署も毎年この時期になると注意喚起をするのだが、それでも事故は後を絶たない。

 で、今年もそれは起きた。コネチカット州で冷凍状態の七面鳥をガレージで丸揚げにしていたところ、大きな炎が立ち上がり、家に引火し全焼するという事故が発生したのだ。

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七面鳥を丸揚げしたら家が丸ごと焼けてしまう

 サンクスギビングデーに七面鳥を食べる習慣のあるアメリカでは、毎年この時期になると特有の事故が発生する。

 それは、きちんと解凍していない七面鳥を丸ごと揚げようとしておきる火災だ。

 凍った状態の食品を油で揚げると、氷が急速に気化する水蒸気爆発が起きる。周辺には高温の油が飛び散り、それが火種となり火事に発展するのだ。

 消防署では「決して冷凍した七面鳥を丸ごと高温の油に入れないでください」と注意喚起しているのだが、「これくらい大丈夫だろう」と油断する家庭も多いようだ。

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 今年のサンクスギビングデーとなる2024年11月11月28日の午後3時40分頃、コネチカット州ウェストンの高級住宅地に設置してある自動火災警報が鳴り響いた。その直後、住民から911番通報があった。

 ある家がガレージで七面鳥を丸揚げしていたところ、水蒸気爆発が発生したのだ。

 消防隊が到着したときには、邸宅は炎に包まれており、火はすでにガレージから家に燃え広がっていたという。

 ウェストン消防団長のジョン・ポコルニー氏によると、消防隊が到着した時には、家の3分の1がすでに燃えていたという。

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 その後火は急速に燃え広がり続け、16時間に渡る消火活動の結果、ようやく沈下したものの、家は全焼してしまったという。

 この火災には、ウエストンの消防隊員30人に加え、近隣6つの町から消防隊が応援に駆け付けた。

 さらに、現場ではアメリカ赤十字社やダンベリーのサルベーションアーミー、ウエストン公共事業部、ウエストン警察署、ウエストンEMS(緊急医療サービス)、およびウエストポート警察署が支援活動を行った。

 この家はかなりの豪邸で、寝室11室、バスルーム9.5室で総額4億2千万円。敷地面積は約929.03平方mで、火災発生時には25人が家にいたという。

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 だが幸いなことに、家の中にいた人は全員は無事脱出し負傷者は報告されていない。

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 ということで揚げ物をするときには細心の注意が必要だし、巨大な凍ったものを丸ごと高温の油に入れることは絶対にしないようにしよう。

References: Weston fire apparently caused by someone frying turkey, officials say[https://www.ctinsider.com/news/article/weston-road-house-fire-no-injuries-19949303.php]

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